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ドイツ人とは誰のこと? - ドイツ社会の多様性について Teil 2 - [講演会]

 先月に続き、ドイツ社会の多様性について持田節子先生が経験された、数字に裏付けられるここ35年のドイツの変化と、現在のドイツについてお話を伺った。
 先生が初めてドイツの土を踏まれた1972年以降、年代を追って、ドイツの変化、ドイツ人像の変化など、具体的なお話をたくさんして下さった。それを前提に自分にも思い当たることがある。
 個人的にはミレニアム以来ドイツに興味以来をもち、ユーロ導入以降、自分が接してきたほんの一部のドイツの、その時々の経過点の意味を少しでも知りたかった。
 2002~3年ごろトルコ人に対する不満を現地人から聞いたが、次第に寛容になり、ドイツ語教師は、苦労の分かるトルコ人が良いという話に変わっていった。
 2006年のワールドカップ以降、田舎でも英語がよく話されるようになり、外国のお客さんに親切になったと実感している。
 2012年には、ドイツ人と結婚したスロヴェニア人女性が放課後授業を担当している小学校の見学に誘われ、移民の子供たちと話した。親たちが一般社会から外れた人たちであること、転入してきても、親はドイツ語を話せないので、何か話したい言葉の始めか最後の一文字でよいから、コミュニケーションのよすがにしたいと、子供を通して連絡するとのこと。同じ年、トルコ人のドイツ語教師から、教材として国籍取得テストを見せられた。
 2015年夏、まさに移民問題が始まったとき、ミュンヘン郊外のサッカーチームのある小さな町の友人家族から、お年寄りが増えて空き家になった家を難民に提供したり、ヴォランティアでお年寄りがドイツ語を教えていると聞かされた。難民ウェルカムの時期だ。これらの経験は持田先生のお話の中の小さな事例だろうと思われる。最近では、パリ発のDBで旧国境駅、ストラスブールで長時間停車し、車内全員の人物確認が済むまで、列車の扉が開かなかった。難民の入国チェックだ。
 この日示されたドイツの統計によると、総人口8,260万のうち、移民は人口の24%、純粋ドイツ人62.5%、今はBio Deutscheというそうだ。外国籍の数は1,060万11,52%、そのうち70%はヨーロッパ人、また、日本人は38,000人くらい居るらしい。亡命者の数や国籍の変化は世界情勢を反映しているとのこと。現在移民の国ドイツでは、メディアに登場し、広く親しまれている有名なトルコ人もおり、移民、ジェンダー、健常者/障害者、などあらゆる多様性が容認されている。一方で、AfDなど右派政党が議席数を増やしているのも、周知の事実だ。

講師: 持田 節子 先生
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細川俊夫氏 講演会 振動する夢の通路: 能から新しいオペラへ - オペラ「地震・夢」を中心に – [講演会]

 2018年度国際交流基金賞を受賞された、細川俊夫先生の記念講演会が東京ドイツ文化センターであった。会場には、細川先生が作曲されたオペラ6作品のスコアが展示されており、自由に見ることができた。どんなだろうと、少しめくってみただけだが、一応普通の五線譜だった。
 第一部は、オペラ6作品の解説と舞台映像の紹介、第二部は縄田氏との対談と質疑応答だった。
 去年4月シュトゥットガルト歌劇場が予告して行った新作オペラ、クライスの「チリ地震」原作、バイアー台本の「地震・夢」(Erdbeben.Träume) は7月にプレミエを迎え、日本では初めて映像の一部が公開された。バウアーのドイツ語が難解なこと、プロダクションチームが福島を訪れた話などは前回説明があったとおりで、その時点ではまだ音楽はできていなかったそうだ。稽古場には舞台と同じセットを作り、福島で撮影した写真がたくさん貼られていたとのこと。
https://gruen.blog.so-net.ne.jp/2017-04-17
 先生のお話によると、原語の台本を読んで作曲するとき、言葉の意味ではなく、響きを感じ、言葉が生まれる時の、最初のカオスの状態のに光がパッと当たる感じを音にするとのこと。芸術が生まれる瞬間を想像し、何だか体が震える。
 細川氏のオペラでは、あの世とこの世をつなぐ、能の「橋掛かり」が、魂の浄化を表現する媒体となる。今回の「振動する夢の通路:能から新しいオペラへ」という副題の意味するところの、振動は、地震であり、音楽、恐れでもある。夢の通路とは橋掛かりであり、音のトンネルでもあり、この作品の主人公フィリップはこの通路の中に入る。
 作品のテーマは、フィリップが出自を知るイニシエーションの旅。禁断の愛により生まれたフィリップの両親がまさに周囲の制裁を受けようとしたとき、大地震が起こり、フィリップと取り違えらえた赤ちゃんが殺害される。両親も殺害され、フィリップは子供を取り違えられた養父母に育てられる。でもオペラを通じて最後には自分が実の両親に抱かれる場面を夢に見て、魂が浄化される。
 映像の中で、大地震直後の海の描写があり、主にコーラスで歌われる無機質な音と言葉は、我々が震災で見てきた荒れ狂う水の映像そのものだ。舞台の再演がかなわぬのなら、間もなく市場に出るという作品全体の映像を見たいものだ。
 講演後レセプションがあり、一般聴衆もお招きにあずかり恐縮した。
モデレーター 縄田雄二(中央大学文学部教授)
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フェルメール展&藝大フィルハーモニア管弦楽団ー高関健 マーラー交響曲第7番 他 [コンサート]

 マーラー7番を生で聴いたのは数えるほどだが、この日、奏楽堂の最高の席で、素晴らしい演奏に接することができた。まず、舞台全体を見渡せる中央の席に座したことが奇跡の第一歩だ。全席自由とはありがたい。感謝感激だ。
 そして、演奏会がお祭りではなく、研究発表の場であったことがすごい。楽譜は、国際Mahler協会のMahler新全集版を使用。新全集では、高関先生のご研究も楽譜に反映されている。高関先生が、世界的な学者で、芸術家でいらっしゃることを心から尊敬する。プログラムの先生のインタビュー記事は、必見だ。
 整然としていて、すべての楽器の響きが生かされるような演奏は、作曲家の意図を最大限表現してくれているように感じる。奏者も皆素晴らしく、偉業を成し遂げたような、充実感があふれていたように思う。先生のお話で、出来るだけ固いバチで叩くよう指示があるという、ティンパニーの音色は、今まで聞いたことがないほど、音楽にピッタリとマッチして、感動的だった。この日行かれなくなった連れ合いが気の毒に思える。
 前半のマーラー編曲のバッハの管弦楽組曲からの作品は、1909年ニューヨークフィルで初演された。当時バッハ作品がニューヨークで演奏されることは多くなかったとのこと。弦は16型で華やかだ。マーラーは、生涯で20回位指揮したとのこと。フルートは聞こえることが大事なので人数を増やすか、クラリネットを加えてもよいという指示があり、この日はフルート4本、指揮台正面、弦楽器の間に配された。
 アカデミックな素晴らしい演奏会だった。分析され、再構築された7番の音の違いを、自分には聞き分けることはできないが、音の細部を自ら聴き取りに行く姿勢が音楽を面白くすることを、この夏、ペトレンコの6番からも学んだ。少し距離を置いていたマーラーをあきらめず、また狩りに出ようようと思う。次は年明けの一千人だ。
 コンサートの前にフェルメール展へ行った。今回展示されている8点の中で初めて見る作品は赤い帽子の娘だけだが、ロンドンとワシントンにまだ見ていない作品がある。ベルリンの2作品は、ともに日本に来ているのには、苦笑してしまう。というのは、ベルリンに滞在する時には、閉館前1時間ほど、2作品の前に座るのだが、ほとんど人は足を止めないからだ。2点貸し出しても来館者から苦情が出ることはないだろうという意味なのか。今回入場は予約制なのに、とても混んでおり、残念だった。仕方ないことだが、展示作品と見る人の距離は、日本の方がはるかに離れている。
■曲目
マーラー編曲:《J.S.バッハの管弦楽作品による組曲》
Ⅰ序曲 4/4(第2番より)
Ⅱロンドーバディヌリー 2/2 - 2/4 - 4/4(第2番より)
ロンド→バティヌリー→ロンドの順で演奏。
Ⅲエール 4/4(第3番より) G線上のアリア
Ⅳガヴォット1-ガヴォット2  2/2(第3番より)
編成:フルート(他人数、またはクラリネット1を増強)オーボエ2、トランペット3、ティンパニ、クラヴィチェンバロ(ピアノ)、オルガン、弦楽合奏
マーラー:《交響曲第7番》
■出演
指揮・プレトーク  高関 健 
芸大フィルハーモニー管弦楽団 於 奏楽堂
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2018弦楽器フェア、 骨髄バンクチャリティーコンサート [コンサート]

 午前中に科学技術館の弦楽器フェアを覗き、午後は、骨髄バンクのチャリティーコンサートへ行った。
 去年、冷やかしで購入した安いチェロ弦1セットは使うことなく一年過ぎ、今年は面白い魂柱を見つけた。
 弓と同じ材質の木をらせん状に削りプラスティックのようなもので覆う。形は魂柱型。その上下にマグネットを取り付け、磁石の力で魂柱を立て、中間部のネジで圧を調節し、整ったところで、ネジは外す。半延久的に使えて、音色も優しいと、作者がヴァイオリンを弾いてくれた。ミュンヘンに店舗があり、魂柱は家で制作しているとのこと。実際使っている人がいるのか尋ねるとYouTubeを紹介してくれた。慣れれば自分で取り付けたり外したりできると。
 確かに実際のチェロの音を聞いてみたいものだ。
https://www.soundpost.com/
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 今年の骨髄バンクのコンサート会場は本郷にある求道会館。大正年間に作られた、仏教の教会?とのこと。靴を脱いで入り、二階席は座布団を並べる、段差の小さい階段状になっている。
 昨年の会場の音響が良くなかったからだろうか、この場所は、演奏メンバーが利用し、とても趣のある場所で響きも良いので、骨髄バンクに提案したとのこと。やはりモティベーションが上がるのだろう、大変な熱演で、チェロの音もとても良かった。
小澤洋介(チェロ)三戸素子(ヴァイオリン)高田匡隆(ピアノ)
プログラム:
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第5番 ニ長調「幽霊」
骨髄バンクミニシンポジウム
マルタン:アイルランド民謡による三重奏曲
ブラームス:ピアノ三重奏曲 第2番 ハ長調 作品87
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国際音楽芸術振興財団コンサート 室内楽のア・ラ・カルト [コンサート]

 銀座ヤマハホールで、国際音楽芸術振興の公益認定記念コンサートがあった。ネットで登録すると、全員ご招待だ。
 フルート、チェロ、ピアノという珍しい組み合わせに思えたが、ウェーバーのフルートトリオ他、オリジナル曲のようだ。ヴィラ=ロボスのジェットホイッスルという作品は、なかなか面白い。先月、シャリーノのフルート曲を聞いたばかりなので、フルートの音色としてのホイッスル音は、程よい刺激だった。
 中木さんは、ヨーゼフ・グァルネリ(多分グァルネリ一族?)のチェロを貸与されているとのこと。突き抜けるような強く素晴らしい音で、ドビュッシーも迫力があった。後半は、三人の音が溶け合って聞こえ、心地良い演奏会だった。
 このホールは初めて行ったが、18時までホールのある最上階に入れず(エレベーターが行かない)、1階に人が溢れていた。

出演
・三浦友里枝(ピアノ)・上野由恵(フルート)・中木健二(チェロ)
演奏曲目
ゴーベール ロマンティックな小品
ドビュッシー シランクス
ドビュッシー チェロとピアノのためのソナタ
ヴィラ=ロボス ジェットホイッスル 
《休憩》
C.P.Eバッハ トリオソナタニ長調Wq.151より第1楽章
ウェーバー フルート三重奏曲 作品 63

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ワーグナースペシャル 大野和士/都響 [コンサート]

 お帰りなさい!という気分で、大野さんを聴きに行った。新国立劇場の音楽監督になられたので、オペラを指揮される機会も増えるのかと思っていたが、そうでもないようだ。この日は地味に新宿文化センターで、密やかに都響とワーグナー抜粋を聞かせて下さった。
 本場のオペラ指揮者という安心感と期待で、何となく嬉しく、抜粋プログラムではあったが、過去にドイツで聴いた、大野さんの丁寧な演奏を思い出した。随分前2006年のことだが、私の初タンホイザーは、急遽大野さんに指揮者変更となったベルリンドイチェオパー だった。その後は、2012年ミュンヘンのオランダ人。大野さんを聴くのはそれ以来だ。
 歌手もオケも整然としており、爽やかで良かった。全く違う公演であっても、過去に聴いた同じ作品の場面
が頭に浮かび、その時の幸福感をも回想できるなら、眼前の演奏は、きっと良い演奏なのだろうと今回気がついた。
 会場は満員には程遠かったが、あそこに集まった聴衆の多くは、日本で、大野さんのリングチクルスを聴ける日を想像したのではないだろうか。
 数日前都響の定期で、ツェムリンスキーを同じ歌手で指揮されており、10月の他のプログラムを見ても、最早、話題性のない作品は日本では指揮されないのかもしれないと感じた。日本であまり聞く機会のない音楽は結構あり、これからマニアックな作品を色々紹介していただけそうだ。

指揮/大野和士
ソプラノ/アウシュリネ・ストゥンディーテ
バリトン/アルマス・スヴィルパ
ワーグナー:歌劇『タンホイザー』序曲(ドレスデン版)
ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』より「前奏曲と愛の死」
ワーグナー:楽劇『ワルキューレ』より第3幕第3場(最終場面)
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ドイツ人とは誰のこと?- ドイツ社会の多様性について - [講演会]

 ドイツで30年以上日本語教授として生活された持田節子先生の講演を初めて聞かせて頂いた。まだ、講義前半だけだが、「ドイツ人とは誰のこと」?という問いの意味が分かっただけでも、驚きだった。
 私は、ドイツ語を学問として学んだことはなく、日常のコミュニケーション手段、音楽を理解する手段として、言葉が必要だった。ドイツをまるごと知るという教育方針の学校では、ドイツの歴史や政治についても教え、自然と時事問題にも関心が向くようになる。一人旅でのドイツ滞在中、現地の友人とともに、意外とリアルなドイツの体験していることもあり、今回先生のご講説を理解できたなら、自分自身ドイツと関わった15年の一つの集成になるように思う。
 ドイツ人の定義は、歴史の中で変化してきたが、現在、ドイツ人になるためには、8年以上ドイツに住む、社会扶助、給付を受けたことがない、犯罪歴がない、ドイツ語能力 CER/B1、国籍取得テスト合格、などの条件がある。
 外から移り住んだ人は移民であり、ドイツ国籍を持つ移民もいる。20世紀中頃以降の、労働力としての各国から移民は多様な文化をもたらしたが、多文化主義を認めるか、ドイツ文化を押し通すか、移民にドイツへ溶けこんで欲しいと願っても、ドイツ文化への同化を強制することはできない。ドイツは移民の国と、2015年メルケル首相の初めての発言があったとのこと。
講師: 持田 節子 先生
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イザイ音楽祭ジャパン2018 [コンサート]

  イザイ生誕160年と言われても、イザイのことは良く知らず、ベルギー繋がりのチェロの岡本さんが出演するので、チケットを買った。日本イザイ協会主催のなかなか興味深いコンサートだが、チケット発売当初、イヴェントの全体像がつかめず、当日も開演が遅れるなど?マークの会場運営だったが、それとは無関係に、演奏もイザイの音楽も素晴らしかた。
 イザイは名ヴァイオリニスト。身長は2m近かったとのこと。そして作曲家、指揮者、教育者でもあり、ヴィルティオーゾと言われる。
 今回の音楽監督は、パリ国立音楽院、ブリュッセル王立音楽院の教授、イザイの弟子に師事したPhilippe Graffin という大柄のヴァイオリニスト。氏のテクニックと雄大なヴァイオリンの音色に感動し、何とはなしにイザイの姿と重なる。四隅がくしゃくしゃになった楽譜を、屈託なく床に落としながら演奏し、右足を鳴らしながら、身体の動きも自由奔放、お人柄に思いをめぐらし、微笑んでしまう。
 プログラム2曲目の冬の歌は日本初演ではなかったと訂正のアナウンスがあった。個人的にはイザイは無伴奏ソナタしか知らなかったが、まだまだ、日本で演奏されていない作品があり、グラファン氏が演奏した、半年ほど前に見つかった無伴奏ソナタ遺作は、6番の原曲だったらしい。没になったものを拾ってきて演奏するのは、作曲家本人にとっては、どんな気分だろうかと思う。静かに流れていくタイプの曲も、超絶技巧を見せつけるような大胆な音楽も、聞いていて全くストレスを感じさせず、根底に優しさを感じる。グラフィン氏は、まだ演奏されていないイザイ作品を日本に紹介したいという使命感をお持ちのようで、次の機会も是非作っていただきたい。
 休憩時間に、ベルギービールVEDETTのエクストラホワイトが振舞われた。外国人(ベルギー人?)も多く、林元文科大臣もおられた。
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自由席 なので、ロビーに長蛇の列
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3テーブル一杯に提供されたVEDETT
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新国立劇場ー魔笛 [オペラ(国内)]

 大野和士芸術監督の、1018/19シリーズ最初の新プロダクション、魔笛の楽日公演に行った。ロビーには私服姿の大野さんがいらしたが、足の調子が良くないようにお見受けした。ウイリアム ・ケントリッジ氏の舞台は、書割に、プロジェクションマッピング映像を重ねた、きれいなもので、今見れば、コーミシェのコスキー演出に似ている感じだが、2005年だからこちらの方が古い。オーケストラの演奏に、ピアノを入れたり、パーカッションの生演奏で、雷の音や風の音を演出し、デジタルの効果音に慣れている現代人には、新鮮だった。
 新しい試みとして、英語字幕や、プログラムにも英語のページを設け、世界に発信する日本のオペラを目指す準備が少しずつ進んでいる。大野さんご自身が指揮される機会は少ないが、新国立劇場自体をもっとレヴェルアップさせて貰えたらありがたい。
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ポリーニ・プロジェクト I   ハーゲン・クァルテット他 [コンサート]

 1947年生まれ、サルヴァトーレ・シャリーノの音楽を多分初めて聴いた。フルートの曲を多く作っているそうだが、静寂の中で、フルートから溢れる息づかいというか、空気の振動で生じる音のヴァリエーションをきっちり分類し、整然と使い分ける音楽だった。時折発する耳をつんざく突然の高音に、前の座席の人が飛び上がったが、私もこの音は苦手だ。Vnの時も、前の人は同じ反応を起こした。Vnの曲が自分は一番美しく感じられたが、これも音のヴァリエーションが明確で、ほとんど耳をそばだてないと聞こえないかすかな音を観客は探しに行く。近くの人のおなかが鳴った音の方が、Vnの音より大きい場面もあり、今回も、現代は微妙な音を探し狩猟するような時代だとまた痛感した。
 後半のシューベルト弦楽五重奏は、美しすぎる曲だが、ストラディヴァリを聴いた後のせいもあり、堤先生の楽器がいかに素晴らしいかが分り、自分の座席からは、その音が突出して聞こえ、微妙に癖のある節回しはあったものの、チェロの2番の活躍が著しかった。むしろハーゲン・クァルテットを堤先生がリードするほどの音に感じられた。後で調べたら、ヨーヨーマと同じモンタニャーナを使っているという記載がネット上にあったが、プログラムには使用楽器の記載は無かった。

プログラム
シャリーノ: 急激に成長するクリスタル[日本初演]/ マッテオ・チェザーリ(フルート)
シャリーノ: 三美神が花開かせるヴィーナス / マッテオ・チェザーリ(フルート)
シャリーノ: 《6つのカプリッチョ》より / 辻 彩奈(ヴァイオリン)
シャリーノ: 反転した空間 / 若林 かをり(フルート), 金子 平(クラリネット)
辻 彩奈(ヴァイオリン)、 岡本 侑也(チェロ)、
中川 賢一(チェレスタ)
シューベルト: 弦楽五重奏曲 ハ長調 D956/ ハーゲン・クァルテット、堤剛

トッパンホール
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STRADIVARIUS 'f'enomenon ストラディヴァリウス300年目のキセキ展 [美術・博物館]

 ストラディヴァリウスを21挺集めた展示会(森アーツセンターギャラリー)の評判が高く、何となくHPを繰っていて、マエストロ松下の写真を見たとき、10年前クレモナで初めて体験した、ミストのような、しっとりした空気感が一気によみがえり、是非行ってみたくなった。
 15時からの宮田大さんの演奏に間に合うよう、14時に窓口でチケット購入した時点で、座席はもう一杯でコンサートの入場制限がかかるかもしれないので、早めに行くよう促され、早く来て良かったと思った。エレヴェーターには翌日演奏するVnの三浦さんがいらして、降りたら反対側からちょうど、宮田さんが楽器を背負って到着された。
 会場に入りマエストロ松下にちょっとご挨拶しただけで、先生の作品を見る前に、コンサート部屋に行き、陣取りの為1時間立って待った。そこでは関係者のインタヴュー映像が流れ、その中に松下先生も登場され、どんなに現代の技術が優っていても、200年も途切れてしまった、ストラディヴァリの技術は復活できないというようなお話だった。松下先生の美しいヴィオラがこの場に展示されることは、素晴らしいことだ。
 クレモナではVnの試奏は聴くことができなかったので、楽器ごとの聴き比べができればなあと思ったが、この日の宮田さんは、ご自身が5年前から貸与されているストラディヴァリで演奏され、唯一の展示品のチェロではなく、見た目はそれ以上にとても綺麗だ。選曲は人の声に近い音を選び、白鳥、夢のあとに、ヴォカリーズ、バッハ無伴奏3番ブーレと、優しくて本当に美しい音色だった。お話の中で興味深かったのは、アンサンブルの時に、あまりソリスティックに弾くとストラディヴァリの音色が前面に出てしまい、周囲と音がまじわらないことがあるとのこと。
 もう20年以上前になるが、日本のストラディヴァリウスを集めた演奏会を聴き行ったことがあるが、その当時は楽器の音色より、演奏者の力量不足が目立ち、楽器が泣いている、もったいないと思ったものだ。今思えばその企画は、一夜だけ楽器が貸し出され、演奏する栄誉をを賜るようなものだったのかもしれない。名器を弾きこなすのは難しく、急には弾けるものではない。その後の聴き比べコンサートには行ったことはないが、コンサートプログラムに使用楽器が掲載されていると、しみじみ楽器の音色を味わいたい気持ちにになる。
 名器には、弾き手、楽器調整の技術、演奏される環境など、最高の音を引き出すために必要な条件があるとのこと。ストラディバリウスは、制作年代により、特徴の違いがあることが今回分かった。
 閉館時間までゆっくり楽器を見、過去の音を探求するコーナーで想像力をふくらませ、新しく建築されたクレモナのヴァイオリン博物館の映像を見て、もう行くことのない、この赤いホールで色々な楽器が演奏されているのかと、感慨深かった。クレモナの空気の中に生息するストラディヴァリスを、未来に伝えて欲しいと切に願う。
 とにかく、世界で約600あるストラディヴァリウスの内、東京に21挺集めた事実は私の生涯においては空前絶後ことだろう。
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紀尾井 午後の音楽会 義太夫三味線とチェロ [コンサート]

 紀尾井小ホールに初めて入った。5階にあり、とても眺めが良い。
 初めに、鶴澤寛太郎さんの、義太夫三味線のについての簡単な説明があり、導入としてとても良かった。長い曲で、太夫と三味線が他の組みに交代するときに用いられる、独特の旋律「オクリ」という、決まりがあり、言葉も途中で途切れて次へ送られる。今回は、鶴澤寛太郎さんの作曲した、「雪月花」をオクリから始まめ、次のプログラム、岡本侑也さんが演奏する 黛敏郎のBUNRAKU の冒頭のオクリに受け継がれるよう企画されていた。
 BUNRAKUは、オクリのピッチカートで始まり、三味線の音色は勿論、義太夫の声も表現されている。古典芸能のプロには、聞こえ方も、曲の理解もずっと深いようだ。
 ラメンタティオは、弾いている音と歌う声と音程が違うので、慣れるまで難しいと岡本さんがお話された。悲しむこと、嘆くことという意味だが、岡本さんの弾き歌いが聞く者の心を捉える。今回は舞台に一人だが、コンチェルの後のアンコールでは、オケの皆さんの驚きの表情を客席から見るのも楽しい。
 後半、野平一郎先生の新作は、三味線とチェロの音色が意外にも良く合い、絡み合う音に楽器の差違を感じず、自然だった。演奏前に二人の対談があり、鶴澤寛太郎さんは、五線譜が読めないので、楽譜を三味線用に書き変えるのに苦労されたそうだ。「いろはにほへと」で表わす楽譜には無い音を作り、西洋の音程にピッタリ合わせて演奏されたのは、さすがだと思う。珍しい世界に浸り、充実した、1時間だった。
曲目
三味線組曲「雪月花」/ 鶴澤寛太郎、野澤錦吾、鶴澤燕二郎(義太夫三味線)、
黛敏郎:無伴奏のためのBUNRAKU、G.ソッリマ:ラメンタティオ、/ 岡本侑也(チェロ)
野平一郎:もつれ 義太夫三味線とチェロのための(紀尾井ホール委嘱・初演)/ 鶴澤寛太郎、岡本侑也

建築中の新国立競技場
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都響×アプリコ ドヴォルザーク- 岡本侑也 [コンサート]

 久しぶりに都響の音を聴き、小林研一郎の指揮を見た。アプリコ開館20周年とのこと。早いものだ。ただ、客の入りが今ひとつなのは残念。
 岡本さんのドヴォルザークのコンチェルトを聴くのは、去年夏の読響以来。今回は連れ合いの希望で、最前列を陣取り生音を拝聴。堂々とした演奏を連れ合いはとても気に入り大絶賛。確かに岡本さんの生音で弓と弦が接する摩擦音が聞こえたのは初めてかもしれない。楽器が変わり、ちょっとヤンチャな音に聞こえるが、遠鳴り具合は如何だったのだろう、興味津々だ。生演奏は、聞く位置によって印象が変わる。各ホールで、一番音のバランスが良い席で聞ければ幸いだが、どの席で聞いても、それは本当の音であり、岡本さんの歌心と華麗なテクニックを堪能できる。
 10/10 紀尾井ホールの「午後の音楽会」で、一年ぶりの、ラメンタティオの全曲を聞かせてもらえそうだ。

指揮/小林研一郎
チェロ/岡本侑也
曲目
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104 B.191
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 op.88 B.163

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今日は短縮版
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蒲田駅前も変貌か
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シュタイングレーバーピアノの技術と歴史講座 [講演会]

 バイロイトにSteingraeber&Söhneとういう手作りピアノの小さなメーカーがある。創業は1820年という伝統を持ち、素材から製作過程、音と響きへのこだわり、全てにおいて、最高を目指すピアノを作っている。バイロイトといえば、リストとヴァーグナーが住んだ町。社には、リストが晩年演奏したピアノがあり、ヴァーグナーから依頼された、パルジファルの舞台で使う、鐘の音(4つの音)の鍵盤を持つピアノに似た楽器がある。
 そのシュタイングレーバー社のピアノが、いよいよ、この度代理店契約を結んだ新宿御苑のピアノ販売店に展示され、試奏もできるようになった。この日はバイロイトから、シュタイングレーバーさん一家と技術責任者シェフラー氏が来日し、技術講習会、社長の講演、そして、小さな演奏会と懇親会を催した。残念ながら、一般人への告知は無く、シュタイングレーバー社のことを思うと、こだわりある物づくりのマーケティングの難しさが、もどかしい。
 所用で最初の30分しかお話を聞くことができなかったが、集まった調律師の方々に対し、社長の情熱がこもった説明が繰り広げられた。でも通訳が入ると、感情を抑えた一本調子になり、話の内容も省略もされているので、何だか少し勿体ない気がした。その後は盛況に会が運んだことを願うばかりだ。
https://www.steingraeber.de/ja/
6代目ウド社長
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シェフラー氏
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新国立劇場ー世界若手オペラ歌手ガラゴンサート [コンサート]

 この日は、読響/カンブルランのロココとチャイ4、N響/ヤルヴィのウィンナワルツ+マラ4と、魅力的なコンサートがあり、朝読響に電話したところ、当日券があると言われたものの、早くから並ぶほどの意欲が無く、結局電話で席まで指定できる、楽な新国立劇場に行くことにした。
 新国立劇場研修生の発表会は何度か聞いて来ているので、今回世界若手オペラ歌手と銘打っているが、出来栄えには懸念があった。でも、結果的に素晴らしいガラコンサートだった。まず舞台の花のデコレーションに驚き、オペラ研修所20周年記念コンサートだったと気づく。舞台の進行がとても手際よく、代理で登壇した指揮者が慣れていて、雰囲気もとても良かった。海外からのゲストも日本人歌手も、十八番の曲を思う存分歌い、小品18曲、どれも楽しかった。芸大フィルもキッチリ演奏してくれて、お客さんの入りが半分では、もったいない。多分2日目の方が盛況だったことと思う。
 特に目立って素晴らしいと思ったのは、バイエルンの研修所からのテノール チャン・ロンさんだった。日本人ではメゾの清水さんが自分は好みだった。日本人と外国人との差が無くなってきていると訴えかけるように、20年の研修所の実績を示す、良いコンサートだった。

【指 揮】ダグラス・ボストック (※飯守泰次郎より変更になりました。(2018年9月13日))
【管弦楽】藝大フィルハーモニア管弦楽団
【合 唱】新国立劇場合唱団 二期会合唱団 藤原歌劇団合唱部

ゲスト出演
※オペラ研修所修了生
安藤赴美子(第3期修了)ソプラノ
清水華澄(第4期修了)メゾソプラノ
城 宏憲(第10期修了)テノール
桝 貴志(第5期修了)バリトン
※ロンドン・ジェッテパーカー・ヤングアーティストプログラム(JPYAP)
マイケル・モフィディアン(バスバリトン)
パトリック・テリー(カウンターテナー)
※ミラノ・スカラ座アカデミー
サラ・ロッシーニ(ソプラノ)
アンナ・ドリス・カピテッリ(メゾソプラノ
※ミュンヘン・バイエルン州立歌劇場研修所
张 龙(チャン・ロン)(テノール)
セレーネ・ザネッティ(ソプラノ)
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岡本侑也チェロ・リサイタル [コンサート]

 山形でロココを聴いた一週間後、練馬で岡本さんのリサイタルがあった。ピアニスト小林海都さんは、2年前江副財団のコンサートで室内楽を共演して以来とのこと。ベルギーつながりを感じさせる、二人の綺麗な音がまず印象的だ。
 出光音楽賞受賞頃から正式に発表しているが、岡本さんの楽器が変わり、去年、先生も変わり、力強さ、逞しさが加味された方向へ音が向かっている感じがする。シューマンが、かなり硬い音に聞こえ意外だった。ベートーヴェンは軽やかと重さのバランスが絶妙で流麗で、ピアノもチェロも音がとても透明で綺麗だった。持ち前の繊細さはさらに音色の幅が出て磨きがかかっている。ヤナーチェックはちょうど今年5月にミュンヘンの教会で、物語の朗読付きで聴いたことがあった。その時は、各楽章の演奏が話の後に来るので、とても短く感じられたが、今回は3つの楽章が一つの流れの中にあって、続けて演奏され、この方が私は好みだ。最後のショパンは凄かった。深刻な曲でありながら、ピアノとチェロが溶け合う美しい世界へ若い二人がグイグイ引き込んでいく。巨匠の演奏を聴いた後のような、恐れ入りましたという感覚だった。さらにこの少し重苦しい興奮状態をクールダウンしてくれる、美しいアンコールは、タイスの瞑想曲と、白鳥。後半冒頭には奏者自身のお話も入り、至れり尽くせり、行き届いた配慮を感じる、聴き応えのある演奏会だった。22〜23歳の若者達であることを忘れる、老成した音楽を聴かせてもらった。

■日時 2018年9月9日(日) 15:00開演(14:30開場)
■場所 練馬文化センター 小ホール(つつじホール)
■出演 岡本侑也(チェロ)、小林海都(ピアノ)
■曲目 
シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調Op.70
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番 ト短調Op.5-2
ヤナーチェク:おとぎ話
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調Op.65
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「わ」の会 第5回公演 Erwachen:覚醒 [コンサート]

 調布市文化会館たづくり くすのきホールへ「わ」の会のコンサートを聞きに行った。年々歌手の方々が身近な存在になってきて楽しい。偶然所属のアマオケに出て頂いた先生方もいらして、さらに、今年バイロイトデヴューされた、金子先生もエルダとして出演され、役作りがさすが、上手だと思った。
 今年のジークフリート3幕は、本当に期待していたのだが、お気の毒に、4日前に名古屋でジークフリート全曲歌われた片寄先生が急な体調不良で、後半が、昨年と同じプログラムの黄昏のブリュンヒルデの自己犠牲に変更された。でも、池田先生は去年よりもっと素晴らしかった。輝けるディーヴァの風格で、ちょっとした身のこなしも、ゾクッとする迫力があり、客席にいてとても誇らしかった。
 前半は、マイスタージンガー3幕前半、ハンスザックスとベックメッサーの好きな場面で、つい3週間前に見てきたバイロイトの舞台と結びつき、何ともいえない美しい記憶が甦った。演技指導があったにしても、大沼先生のベックメッサーの演技は、身のこなしの軽やかさが、素晴らしく日本人離れしていて、適役だと感動したのは、私だけではないだろう。全幕通して是非ご出演頂きたい。段々と聴衆も欲張りになり、ヴァーグナーを聞ける有り難さだけで満足せず、買ってながら、抜粋でなく、全曲演奏を聞ける時が来るのが、待ち遠しい。
 ピアニストはたった一人で、超絶技巧で弾き続け、指揮者が入って連弾になると、さらに盛り上がり、オケの音が聞こえてくる。観客数は200人ちょっと。もっと沢山の方に聞いて頂きたい。
 
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ジークフリート3幕3場は、神々の黄昏3幕3場に変更になりました
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山形交響楽団ー岡本侑也 ロココ風の主題による変奏曲 [コンサート]

 山形交響楽団の定期演奏会で、土日2日続けて、岡本さんがロココを協演し、私は2日目を聞きに行った。この日の雰囲気がとても良く、本番を聴く時の緊張感はほぐれ、岡本さんも、とても楽しそうにリラックスしている様に見えた。
 このホールは自分の席では音が良く響き、去年初台でロココを聴いた時より、どの変奏曲も一層歌い込んでいて、若い岡本さんの姿に、早くも風格を感じた。これは、自分にとっては、初めての感覚だ。もう超絶技巧に驚くこともなく、音楽平安を感じる。こちらが、一音一音に感嘆していた頃は、全部の音を完璧にサラッと弾く様に感動したが、今は本番を幾つもこなす演奏家として、少し位、A線高音の発音が悪くても、本人が神経質な様子をあまり見せなくなったので、客席でも安心して音楽の流れに身を任せることができる。
 自然に湧き上がる音楽に思わず引き込まれていた時代から、大きく一段と包容力が増し、声色のような、安らぎを感じる穏やかな音に包まれるとき、これからもこの幸福感を皆さに運んでほしいと切に願う。
  アンコールがまた、生き生きと躍動感があり、本当に素晴らしかった。ラメンタチオの本人の歌声とチェロの音が、ハモって聞こえたし、昔から重音のハーモニーが完璧だったが、重音の威圧感は皆無で、アローンでは、更に各声部を歌い分け、音の重なりに色調が加味され、決して濁らず、例えるなら、オケの指揮者がスコアから選び取るハーモニーにより、それまでと違う音楽に聞こえるマジックのような驚きを感じた。
 指揮者の阪さんも、熱く歌う指揮者なので、どのプログラムも、楽しかった。インタビューで、岡本さん一家とご自身とレーゲンスブルグの関係に触れられたこと、阪さんのご両親が山形ご出身であることなど、演奏者側の人のことを言葉で紹介するのは、聴衆へのアピールになるし、この演奏会にいらした方々は、岡本さんのことを覚えて下さったに違いない。
 山形交響楽団は人数は少ないが、アットホームな雰囲気が良い。開演前のロビーコンサート(ビオラパート素晴らしい!)、開演直前の指揮者インタヴュー、終演後の親睦会など、地元を大事にした経営努力に頭が下がる。
 山形駅に降りたのは初めてで、中心地をぐるっとバスで見物したに後、駅西側の高層ビルに行ってみると、24階に展望台があり、周囲の景色が見渡せた。城跡が霞城公園になっており、ビルの名も霞城ビルだ。駅の東側は、繁華街、西側は新しく、広々としており、コンサートホールがある。帰り道、ようやく、山形駅の正面の駅名が見えて、山形に来た実感がわいた。
 次の日曜は、東京でリサイタル。また、題名の無い音楽会の放送もある。10月にも4回生演奏が聞ける。
 
指揮 阪 哲朗
チェロ 岡本 侑也

ワーグナー/ジークフリート牧歌 作品103
チャイコフスキー/ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33
メンデルスゾーン/交響曲 第3番 イ短調「スコットランド」作品56 
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没後50年 藤田嗣治展ー東京都美術館 [美術・博物館]

 フランス通の友達に誘われて行ってみたら、思った以上に大規模で、100点以上の作品が出展されており、二人で驚嘆した。二人とも気になっていたが、藤田作品をこれまで見る機会が無かった。
 展示を見て、一番驚いたのは、日本人の個性を発揮しながら、時代の作風をさらっと取り入れているように見えることだ。日本人は良い意味で真似が上手だと、しみじみ思う。実際には生活苦があったのだろうが、作品を見る限り、丁寧で、世の中に愛情を持って接している感じがする。何度も結婚し、心情の変化を作品の変化で器用に表現しているように感じる。第二次大戦後、フランスに帰化し、クリスチャンの洗礼を受け、自分の教会まで建て、夫婦でそこに眠っている。世界中旅して無事だったことも凄い。チラシに載っているこの作品は、ニューヨークで描かれたものだが、作品を見ながら氏の人生を辿って来て、この絵の前に立つと、良いなぁと思う。
 色々な意味で、感嘆した。
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2018バイロイト雑感 [ドイツ]

 まとめを記すつもりが、帰国後10日も経ってしまったが、今年の私のバイロイトは、諸般の事情から、あまり動き回らずひっそりと過ごした。公演回数も少なく、二回見たのは、ローエングリンのみ。ところが、一回ずつの三公演がどれも素晴らしかったのは今までに無い驚きだった。例年、ちょっとしたオケのミスはあるものだが、今年は気になることが、全くなかった。ティーレマンがリハで物凄く気分にムラがあり、怖かったという噂を耳にしたが、その分オケの完成度が高まるなら、イジメ?も必要悪か....。今年は高齢の指揮者が居なかったことも特徴だ。また、リングが無い分、他の作品への取り組みが十分出来たということはあるのだろうか。おまけで、ドミンゴのヴァルキューレまで見てしまったが、演奏はともかくここでも、バイロイトのオケの凄さを想像し、実感した。
 開幕後、8/10頃までが、酷暑で、遂に、Hofgartenの池で犬を泳がせる姿を見た。また前庭の水撒き装置の散水に飛び込む犬も見た。例年、祝祭に飼い犬を連れてきて、預けているお客さんも、コーラスの人も居るらしいが、今のマイスタージンガーに犬が登場することもあってか、犬好きだったワーグナーの祝祭だし、今年は指揮者か歌手か、大きな犬を連れて来たとのこと。マイスタージンガーの犬が交代したかと思ったら、そうではなかった。
 5/1マークグラーフェンオペラハウスにベルリンフィルが来た時の録画とともに、バイロイトの町の様子が流され、日本ではNHKBSで字幕付きで放送されたが、町のパン屋とビール醸造所については、個人名が気付かれないよう、音を消してあり驚いた。YouTubeのドイツ語オリジナルでは、Bächerbrau も Langeも当然特定できる。そこまで気を使うのか、NHK。一方、ベルリンフィルって何?という 現地の方は、この世界遺産の街の映像も見ていなかった。
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バイロイト音楽祭ーヴァルキューレ2 [オペラ(海外)]

 怖いもの見たさで、ドミンゴの指揮するヴァルキューレの高価なチケットに、手を伸ばしてしまった。
 初回は地元紙にも随分叩かれていたようだが、2度目の公演のせいか、噂で聞いていたほどの混乱は無く、ごく自然に舞台が進んで行った。
 初め幕が開いたとき、カンペのジークリンデは、鳥小屋の横に居て、七面鳥に話しかけている十いうか構っているように見えたが、今までもそうだっただろか。一幕で、ジークムントが歌っている時、少なくともこの鳥が3回鳴いた。不思議とテノールの音域で、さほど邪魔にはならなかったが、これまで劇中で鳴いたと気づいたことはない。羽根を拡げると綺麗だが、鳥さんも代役だったのだろうか。暑くて、不機嫌だったのだろうか。もし、仲間の声と思い、合唱したなら、楽しい話だ。
 インタヴュー記事でドミンゴは、自分は歌手の為に指揮したいと思っていると言っていたが、この劇場の特徴にも触れ、客席でのオーケストラと時間差についても言及している。ヴァルキューレを指揮するのは初めてではないからと余裕を見せたが、この日ドミンゴの音楽が無難に進んだのは、2回目ということもあり、コンマスのリードとオケの技量のお陰ではないかと邪推できないこともない。ウィーンフィルが、指揮者にこだわらず、同じレヴェルの演奏するのと同じく、要所、難所を心得たメンバーは、自主的に波を乗り越えていけるのでは無いだろうか。少なくとも、日本のプロオケでは、かなりオケの自主性に任されているように聞いたことがある。
 全体の印象としては、重低音が軽く、音の厚みがすっきりした音楽だった。日本人でヴァルキューレのGrimgerseを歌った金子美香さんも、とても自然にワルキューレ達に溶け込んでいて、本当に普通に歌い動き回っていた。ということは、相当上手ということだ。これは快挙だ。
 カーテンコールでは。ブーをかき消そうとすかのような、盛大なブラボーが聞こえた。ドミンゴは腰の曲がった好々爺になっていた。
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バイロイト音楽祭ーニュルンベルクのマイスタージンガー4 [オペラ(海外)]

 楽しい楽しいマイスタージンガー。ここまで演劇的舞台になると、もう音楽に敢えて集中せずとも、公演を楽しもうという気になってくる。去年と舞台セットが変わったのは2幕。中庭のような芝生が取り払われ、ヴァンフリート広間にあった、ピアノや椅子が二つの山に分けて積み重ねてあり、その間が通路になっている。またコジマの大きな肖像画の後ろにエヴァとヴァルターが後ろに隠れながら移動しているように見えた。
 公演前日、ザックスとダーヴィット役のサイン会に並んだが、Michael Volleのテンションの高さに圧倒された。一方 Daniel Behle の素顔が知られておらず、念のためプログラムの写真をサイン会の係の人にこの人に間違えないか尋ねたが、慌ててgoogleで顔を確認してくれたほど。CDが先に並んでおり、とても美男で、舞台上の姿からは、かけ離れていた。
 劇中のザックスは、サイン会の時の予感通り、昨年以上に喜劇の主人公としてテンションが上がり、寡黙で、思慮深いマイスターのキャラクターでは無かった。ベックメッサー役のKränzleは体調が悪く、リハでは歌わず動きだけ確認したらしい。でも、本番の歌も演技も完璧、この二人のコンビネーションは益々磨きがかかり、昨年の驚き以上の衝撃だった。
 ヨルダンをないがしろしたわけではないが、2幕最後、演出が変わった事に気を取られ、せっかくの音の技を聞き逃してしまった。やはり、ヨルダンは、控えめなタイプなのだろうか。舞台と音楽の融合が素晴らしすぎるのも良し悪しなどとは、贅沢な悩みだ。
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8/5撮影のMolly und Marke
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バイロイト音楽祭ートリスタンとイゾルデ3 [オペラ(海外)]

 今年のトリスタンは、前日にティーレマンのリラックスしたインタヴューを聞いた後ということもあり、ローエングリンが終わり、涼しくなって、やっとトリスタンに取り組める喜びのようなものを、勝手ながら音楽の中に感じた。音楽は集中力が凄く、全速力で突進し、不意に何かを見て急停止するような、エネルギーの起伏が、最高潮に達し、音の渦の中に身を置く気分は、本当に素晴らしかった。
 席は6列目の右端。3年目にして、初めてあの暗い舞台を近くから見た。音は、バイロイトの音というより、生音でかなり大きく聞える、普通のオペラハウスのような感じだったが、これもまた良しだ。去年より、グイグイ盛り上がるのが、とても身体近くに音を感じられる。前奏曲であそこまでテンポを巻くとは驚いた。昨今は、感情を抑え、トリスタンが出てくるまで控えめで進行するような印象だったが、もっと感情の波は高く、時空間をねじり、反動で戻ってくるような、抵抗不可の勢いを感じる。2幕も本当に美しく、全幕通して、気になるような箇所はなく、強いて言うなら、ラングの3幕幕切れの言葉がはっきり聞こえなくなってしまったことぐらいだろうか。グールドは絶好調、ブランゲーネは、おどおどする演技を抑え、歌に勝負をかけてきた気がした。美しかった。
 3幕の三角形は、さらに今年も改善され、見易くなっていた。
 最後幕が下りてくると、音が消えないうちに拍手する観客は、益々増えている印象。開演前の撮影禁止の表示とともに、幕に反応せず拍手は音が消えるまで余韻を味わうよう、日本のように、来年から注意喚起して貰いたいものだ。或いは幕を下ろさず暗転するとか、工夫が必要かもしれない。
 でも、兎に角今まで聴いたトリスタンの中で、忘れられない最高の演奏だった。
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TAFF ティーレマン インタヴュー [ドイツ]

 子供向きオペラを上演するプローべビューネで、TAFF主催のティーレマンのインタヴューがあった。
 写真撮影禁止はいつものことだが、濃い青と薄い緑の横縞ポロシャツで現れ、ニコニコと機嫌よく早口で話してくれた。音楽的な話ではなく、雑談が主だった。断片的だが、分かった範囲で....
 初めは、やはり先週の暑さの話から。オケの人達は膝に大きなバスタオルを置き、体の汗を拭きながら演奏している。上からでなく足元の空気の通りを良くする空調設備が必要だと。舞台上では、化粧が剥がれ、衣装に汗染みが出てほんとうに大変だったと。ティーレマン自身の暑さ対策は、家で水風呂に入り、ちょっと横になると、元気も回復するとのこと。
 アラーニャのキャンセルの時は、自分でも、あちこち電話して代役を探したそうだ。フォークトはOKだったが、もしマイスタージンガーに支障が出るとお客さんに悪いので、やめた。ベッチャワとはドレスデンで共演しており、6回は無理でも5回は歌える確信があった。
 外国語のオペラを指揮する時、言葉は勉強しないそうだ。ヤナーチェックの時、チェコ語はティーレマンのテンポでは早すぎて歌えないと歌手に文句を言われたことがある。
 一方、外人歌手のドイツ語発音については厳しく、例えば、日本語の「〜の」のような意味でつけるsが2単語間に入り、一語となる例えばTagesschau、Umgangsspracheなど、この手のsの発音が曖昧なので、もっとキチンとドイツ語を学んで欲しいと苦情を漏らした。
 指揮が一番難しいはオランダ人とのこと。とにかくピット内でオケがうるさいからだと。タンホイザーも結構大変。パルジファルは易しい。客席の音の鳴り具合を聞いてくれるスーパーヴァイザーが重要。客観的にOKならばその音量で行く。
 指揮者はAapotheke(薬局)のようなもので、色々薬を混ぜ合わせる仕事だと。(後半に続く)
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バイロイト音楽祭ーパルジファル4, Markgräfin Opernhaus [オペラ(海外)]

 朝、市中に出て、改装が終わった世界遺産のマークグラーフェンのオペラハウスを見学。9時45分からの2回目のガイドで、参加者は20名くらい。老朽化して、建物の見学のみとなっていた劇場を、再び現役の劇場として使用できるよう大規模な復元改修工事が行われた。以前必要以上に金色に輝いていた部分はオリジナルに戻されたが、舞台前のバロック調のオケピットは取り払われ、現代の昇降式舞台になっていた。
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 ビシュコフのパルジファル、どんな感じなのかと期待と不安と半々だったが、とても良くて、満足した。出だしがあまりに音が大きく驚いたが、その後は自分のイメージ通り音楽が進み、安心して身を任せ、一瞬たりとも、聞き逃したくない、美しい音の積み重ねだった。一幕でまず骨抜きにされ、全幕通しても、今まで聞いたパルジファルの中で一番好きかもしれない。5月にパりでジョルダンのパルジファルを聞いたが、同じくシャーガーがパルジファルだったが、座席のせいか、音がとても遠く、静かで、穏やかさが少し物足りなかった。でも今年のバイロイトの席が10列目の右端だったこともあり、トリスタンに続き、オケの生の音も味わえ、聖堂の鐘の響き具合も最高だった。いったい、何に惹きつけられたのか、程よい重厚感と綺麗すぎない音質、意外にも音楽の天然感がよく引き出されていたように感じた。
 シャーガーは本当にどこまでも凄い。素晴らしい。いつまでこのまま突っ走ってくれるのか、声を大事にして頂きたいと、つい、いらぬお世話の気持ちが顔を出す。
 一幕後の拍手については、もはや誰にも抑えられないほどの、勢いをつけてきた。
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ピルゼンの湧き水と中世の地下道活用 Pilsner Urquell [チェコ]

ピルゼンのビールが美味しいのは、ふんだんな湧き水があるからだと学んだ。地下通路の見学ツアーでは、地下生活の歴史があったことを知った。町中心にある、聖バルトロメイ大聖堂近くに最初の湧き水があり、水路を広げ、今は、周囲3ヶ所に吹き出し口がある。近くの給水塔は、地下から水を組み上げていた。中世の地下道生活がこんなに発達しているとは知らなかった。地上3階建ての家を所有していたとしても、地下は自分のものではなく、地上の主要な建物や道は地下道とつながっている。地下道は3層構造、直ぐ下は下水、次が生活空間、一番下が湧き水の水路だ。避難地として、地下で労働し、肉やビールを貯蔵し、その横にテーブルを置いて、男性専用のレストランもあり、ビールを飲んだ。料理用換気扇とも言える、地上への排気口も見つかっている。地下2階の地下道の要所要所に深い井戸の入り口があり、本当に地下が安全で、生活の中心だった様子が伺える。現在も地上まで通じている井戸もある。驚いた。
 午後は Pilsner Urquell 工場見学を予約した。ウルケルはピルスナービールの元祖として1842年から生産されている。このビールはドイツよりアルコール濃度が低く、この地の軟水で作っている。ここでも、地下道と巨大な地下ケラーの存在を体験した。こんなに広いスペースに本当にビール樽が保存されていたのかと、只々驚くばかり。地上に小さく見える窓から雪を投入して冷やす巨大な冷蔵庫、横の肉置き場は、地下の通気性が良くなっている。今はビールは工場生産だが、いくつかの樽は昔ながらの手作りで作業し、味を比較しているとのこと。ツアー最後は、この手作りのビール樽からひとりひとりグラスに直接注いで試飲させてくれた。
 ウルケルのビールの泡がクリーミーで美味しいからなのか、レストランで、泡だけのジョッキを注文することができる。時間が経つと泡が消えていき、底から2cm程度がビールになる。値段も通常の注ぎ方より安い。
 工場見学はドイツ語を選択したので、周囲はドイツ人ばかり。ガイドに盛んに質問をして熱心だ。面白いのはその反応で、ピルスナービールの元祖は、ドイツから招いたビール職人だとの説明があると、やはりドイツだろと声には出ないが、全員満足気な表情。
 巨大な工場見学では、この機械は何製だと答えを予想したような質問。殆どがドイツ製だとの説明に、やはりそうだろという反応だ。
 ツアー終了挨拶直後、後にして欲しいと言われていた、ウルケル所有者の変遷についての質問にガイドが答え、現在は日本企業アサヒビールの傘下だとはっきり言った。私は一応頷いたが、周囲の不満そうな表情を察して、急きょ笑顔を抑えた。
Urquell案内のお姉さん
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Urquell の巨大な地下
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地図上半分はかつてのビール貯蔵庫、一本の通路の長さは、一枚目の写真の如く巨大
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発酵
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試飲 、おじさんが樽のビールをグラスに注いでくれる
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ピルゼンのビール風呂 [チェコ]

 ニュルンベルク空港まで連れ合いを迎えに行き、DBのBayern-Böhmen-Ticket(€34,6)で3.5時間かけて、チェコのピルゼンへ行った。連れ合いの念願だったPurkmistreのビール風呂を予約してあり、恐る恐る行って見ると、ロッカーキー、バスタオル、大きいなシーツのようなものを渡された。女性ロッカールームいた二人の女性がドイツ語で話していたので、ビール風呂初めてなのですが、と聞いてみると、とても気持ちが良いと言うので、少しほっとして、先へ進んだ。HPの写真の通り、木製の湯オケに、若いビールが蛇口から注がれていた。アルコールは入っていないが、匂いはする。ちょうど良い温度で、次第に温まり、汗ばんで来る。横には、ビール樽から上へ伸びた、ビールの注ぎ口があり、入浴時間30分の間、ジョッキで何杯でも飲むことができる。風呂から上がると、クールダウンの部屋があり、横になって、また大中小好きなサイズの冷たいビールで、30分間クールダウンする。
 入浴前後にシャワーを浴びるのだが、入浴後は、温泉のように肌がスベスベになり、もったいないので、シャワーは浴びなかった。
 夕食は、宿の庭のビアガーデン、メニューが、メインと付け合わせと別々に注文するようになっており、付け合わせの焼き野菜や、各種ジャガイモなどは、日本のおつまみサイズで、ドイツほど、塩味が強くなく、また肉も野菜も地元感があり、新鮮で美味しかった。プラハとは、全く印象が異なる田舎だ。
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お風呂写真HPから借用
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バイロイト音楽祭ーローエングリン4(最終公演) [オペラ(海外)]

 今年の最終公演。譲ってもらったチケットは、ギャラリー2列目、バイロイトで初めてのHöre Platz だった。12ユーロと超格安だが、本当に眼前が柱なので、舞台端がほんの少し見える程度。でもその分耳に集中できるし、ギャラリー4列目より、明らかに音が良い気がする。
 改めて、ティーレマンマジックには感動する。いつもなら、ちょっとだけ陳腐に聞こえる転調 や、子供っぽいメロディーなど、やっぱり初期作品だから…とつい思ってしまう要素を全て克服し、ロマンティックにふくらませてくれる。オランダ人の時もそうだったが、ティーレマンがバイロイトで指揮するWagnerは特別で、他の劇場とは違う気がする。
 カーテンコールで絶大な拍手を受けたのは、やはりヴァルトラウト・マイヤー。右手を舞台につけて、左胸に抱えるように感謝の意を示した時、私も一瞬涙がこみ上げてきた。最後、ティーレマンが飛び出してきて、マイヤーに横から抱きつき、というか、飛びつき、頰にキスしたのは、衝撃的だった。マイヤーの歌い納めの素晴らしいオルトルートを聞けて幸運だ。
 ベッチャワは、ベルカントの張った声が美しい。小声で歌い始めドラマティックなクレッシェンドも聞かせてくれた。でも、遠い席からだと、声質が変わるのが少し気になる。改めて、フォークトの一本道を突き進む安定感は、凄いと思う。
市立図書館で、ローエングリン・前回演出の衣装を展示している
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第28回出光音楽賞受賞者ガラコンサート [コンサート]

 チケットが当たったので行ってみた。職場が西新宿なので引き換え開始の17時45分にはオペラシティに着いたが、既にかなりの行列ができており、ハガキに印刷されている整理番号順に指定席券を貰うシステム。
 整理番号が若いから良い席が来るとは限らず、200番くらいなのに2階Rの前の方だったが、却ってソリストは良く見えた。もちろん無料なので文句は言えないが、2階正面席は多分ご招待なのだろう、ガラガラなのは頂けない。
 始まる前に表彰式やら、舞台セッティングの時間潰しのため指揮者インタビューがあり冗長だが、これも仕方がない。沼尻さんのお話は、賞金の話とかちょっと下世話な内容で、自分で喋って自分だけ受けている印象だ。
 1曲目、上野耕平さんのサクソフォン、この楽器のコンチェルトを聴くこと自体初めてなのだが、アルトサックスという楽器の音域のためか、音量はあるのにTUTTIになるとオケの音によく言えば溶け込んでしまうというか、つまりは埋没してしまう。不思議な感じだ。ご本人はサックスは美しい音は勿論だが、汚い音も出せる旨のお話だったが、聞いてみてそういう印象は無かった。
 休憩後バイオリンの辻彩奈さんはショーソンの詩曲、名前は良く聞くがこれも実演は初めてだ。辻さんは美音というより、大変しっかりした芯のある音で、舞台上のパフォーマンスも落ち着いていて、はたちと聞いて驚いた。
 トリは岡本侑也さんのロココ、いつもどおりの安定感、パフォーマンス的なものは一切無く、淡々と弾いているが、全く自然で曲の技術的難しさは微塵も感じさせない。
 最後のダブルのオクターブのパッセージも普通にほぼインテンポで弾いていて、全く見えを切らないが、ここをあんなふうに弾ける人はそうそういないだろう。
 演奏前後に司会の男女アナウンサーによるインタビューがあり、年嵩の上野さんはさすがに馴れたものだったが、若いふたりは優等生的な固い印象になってしまった。司会者はもう少し事前に取材して、リラックスした雰囲気を作るべきだろう。(B)

授賞式、指揮・沼尻竜典氏のお話
上野耕平 イベール:アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲
ー休憩ー
辻彩奈 ショーソン:詩曲op.25
岡本侑也 チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲イ長調op.33

沼尻竜典 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
司会:寺崎貴司、松尾由美子 アナ
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バイロイト マイスタージンガーの犬 [オペラ(海外)]

 日曜日のマイスタージンガーは、超人気でチケットが取れなかったが、その代わり、出演するワンチャンをゆっくり見る事ができた。
出演前
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開演7分後、出番終了
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