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バイロイト音楽祭ーローエングリン4(最終公演) [オペラ(海外)]

今年の最終公演。譲ってもらったチケットは、ギャラリー2列目、バイロイトで初めてのHöre Platz だった。本当に眼前が柱なので、舞台端がほんの少し見える程度。でもその分耳に集中できるし、ギャラリー4列目より、明らかに音が良い気がする。
改めて、ティーレマンマジックには感動する。いつもなら、ちょっとだけ陳腐に聞こえる転調 や、子供っぽいメロディーなど、やっぱり初期作品だから…とつい思ってしまう要素を全て克服し、ロマンティックにふくらませてくれる。オランダ人の時もそうだったが、ティーレマンがバイロイトで指揮するWagnerは特別で、他の劇場とは違う気がする。
カーテンコールで絶大な拍手を受けたのは、ヴァルトラウト マイヤー。右手を舞台につけて、左胸に抱えるように感謝の意を示した時、私も一瞬涙がこみ上げてきた。最後、ティーレマンが飛び出してきて、マイヤーに横から抱きつき、というか、飛びつき、頰にキスしたのは、衝撃的だった。マイヤーの歌い納めの素晴らしいオルトルートを聞けて幸運だ。
ベッチャラは、ベルカントの張った声が美しい。小声で歌い始めドラマティックなクレッシェンドも聞かせてくれた。でも、遠い席からだと、声質が変わるのが少し気になる。改めて、フォークトの一本道を突き進む安定感は、凄いと思う。

ローエングリン 前回演出の衣装展示
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第28回出光音楽賞受賞者ガラコンサート [コンサート]

 チケットが当たったので行ってみた。職場が西新宿なので引き換え開始の17時45分にはオペラシティに着いたが、既にかなりの行列ができており、ハガキに印刷されている整理番号順に指定席券を貰うシステム。
 整理番号が若いから良い席が来るとは限らず、200番くらいなのに2階Rの前の方だったが、却ってソリストは良く見えた。もちろん無料なので文句は言えないが、2階正面席は多分ご招待なのだろう、ガラガラなのは頂けない。
 始まる前に表彰式やら、舞台セッティングの時間潰しのため指揮者インタビューがあり冗長だが、これも仕方がない。沼尻さんのお話は、賞金の話とかちょっと下世話な内容で、自分で喋って自分だけ受けている印象だ。
 1曲目、上野耕平さんのサクソフォン、この楽器のコンチェルトを聴くこと自体初めてなのだが、アルトサックスという楽器の音域のためか、音量はあるのにTUTTIになるとオケの音によく言えば溶け込んでしまうというか、つまりは埋没してしまう。不思議な感じだ。ご本人はサックスは美しい音は勿論だが、汚い音も出せる旨のお話だったが、聞いてみてそういう印象は無かった。
 休憩後バイオリンの辻彩奈さんはショーソンの詩曲、名前は良く聞くがこれも実演は初めてだ。辻さんは美音というより、大変しっかりした芯のある音で、舞台上のパフォーマンスも落ち着いていて、はたちと聞いて驚いた。
 トリは岡本侑也さんのロココ、いつもどおりの安定感、パフォーマンス的なものは一切無く、淡々と弾いているが、全く自然で曲の技術的難しさは微塵も感じさせない。
 最後のダブルのオクターブのパッセージも普通にほぼインテンポで弾いていて、全く見えを切らないが、ここをあんなふうに弾ける人はそうそういないだろう。
 演奏前後に司会の男女アナウンサーによるインタビューがあり、年嵩の上野さんはさすがに馴れたものだったが、若いふたりは優等生的な固い印象になってしまった。司会者はもう少し事前に取材して、リラックスした雰囲気を作るべきだろう。(B)

授賞式、指揮・沼尻竜典氏のお話
上野耕平 イベール:アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲
ー休憩ー
辻彩奈 ショーソン:詩曲op.25
岡本侑也 チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲イ長調op.33

沼尻竜典 指揮 東京フィルハーモニー交響楽団
司会:寺崎貴司、松尾由美子 アナ
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バイロイト マイスタージンガーの犬 [オペラ(海外)]

日曜日のマイスタージンガーは、チケットが取れなかったが、その代わり、出演するワンチャンをゆっくり見る事ができた。
出演前
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開演7分後、出番終了
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レーゲンスブル〜ヴァンフリート・コンサート Arthur Hornig [コンサート]

 Regensburg から Weiden 乗り換えでBayreuth に戻ることにしたが、乗り換え時間は6分。懸念した通り、事件は起こった。レーゲンスブルから、浮浪者らしい男性が乗り、隣に来た。匂いがするので、席を移ろうかと思っていたら、すぐ車掌さんが検察に来た。男性は、身障者だから無料でどこへいくのも自由だと大声で騒ぎたて、それでも、女傑の車掌さんは負けない。言い争いの間私は移動したが、車掌さんは、しばし運転室に入った後、いくつか先の停車駅に警察が来て、男性は大騒ぎで連れて行かれた。結果電車が遅れ、乗客は殆どいないが、全員がWeiden で降り、荷物がないので、私も2分の乗り換え時間に間に合い、写真もとることが出来た。
 猛暑の夜のWahnfried のコンサートは冷房がきいて、寒いくらいだった。慣れたお年寄りは、毛布のような、ショールを持参していた。チェリストArthur Hornigは30歳くらい。ベルリンドイチェオパーのソリスト、フェストシュピールオーケストラで来ている。演奏はイタリア組曲だけだったが、私にとっては、新鮮なタイプのチェリストで、勿論上手、勢いがあり、華やかなでダイナミックな弾きぶりが印象的だ。速いボーイングの軽妙な音色が、久しぶりに耳にする予想外の音で、日本人の体格では、残念ながら、ちょっと難しい表現のように感じる。ピアニスト Florian Hölscher はフランクフルト音大の教授で、さすがに音が綺麗で、有り難く拝聴した。
Arthur Hornigはドイツ各地に、ゲストソリストとして赴いている。桐朋でも客員教授として指導している。
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レーゲンスブルク 納涼企画その2 [ドイツ]

 レーゲンスブルクに1泊、納涼企画2日目は、 Schulerloch というケールハイムの近くの鍾乳洞へ連れて行ってくれた。内部の気温が9度と書いてあるが、さすがにそこまで寒くはないだろうということで、防寒着は軽めにした。
 駐車場から15分位山を登ると入り口に着く。穴の長さは420m、ツアーは30分、今まで見たことのある、白い石灰質の鍾乳洞ではなく、焼け焦げた地層の黒い鉱物の鍾乳洞だ。初めて見たのは、地下から水がわき、洗面器のようになっている石だ。内部の撮影は禁止だが、偶然広告を見つけた。入り口の空間は広いので、コンサートもする。最後には、岩にプロジェクターで、地球の歴史が投影された。ここでは、蝙蝠が保護されている。地上に出たらやはり、暖かい飲み物が欲しくなるほど、十分に身体が冷えていた。
 ついでに、ドナウ川沿のBefreiungshalle (解放記念堂)に寄ってくれた。ルードヴィヒ1世 が建てた後、4回再建されている。レーゲンスブルのヴァルハラのような感じの、眺めの良いところだ。
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レーゲンスブルク納涼企画 その1 [ドイツ]

 DBバイエルンチケットを使って、レーゲンスブルクの友人宅を日帰りで訪問するつもりだったが、今年は先方も夏休みで、この猛暑だから、ドナウ川で水浴びしようとメールで言われていた。場所はSinzingで、地元の人は皆川で泳ぐそうだ。ドイツも天候不順で、前日は大雨、それ以前は干ばつだったとか。
 私は、川でなんて泳いだことはなく、何かあったらまずいので、遠慮すると返答した。
 迎えの車の中で、2日間、涼しい企画を用意していると言われて、泊まる用意はして来てないと言うと、それは大丈夫と、着くなり私の部屋に案内され、シャワー浴びろと、バスタオルを渡された。これは、しかた無いと思い、3年ぶりの、お泊りとなった。
 涼しい企画その1、Abensburg の Kuchlbauer というビール醸造所 のオーナーが、Hundertwasser のファンで、塔とミュージアムを作った。塔の完成前に、Hundertwasserは亡くなったそうだが、ドイツにもHundertwasser の建造物があるとは知らなかったので驚いた。若いころ、初めてウィーンで、氏の建物を見て、歪んだ床を歩いた時の感動を、今も良く覚えている。
http://www.kuchlbauer.de/
 塔のケラーにダヴィンチの最後の晩餐のコピーがある。このケラーが、とても涼しいのだ。ビール工場ツアーの試飲はビアガーデンで、プレッツェル付きで、好みのビールを飲むことができる。隣にKunst Hausという、ミュージアムがあるが、入る時間が無かった。
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バイロイト音楽祭ーローエングリン3 [オペラ(海外)]

 Nürnberg で電車が、1.5時間発車しなかった。その時点では何の説明もなく、理由は分からなかったけれど、後で聞いたところによれば、暑さで線路に異常が出たそうだ。下りも遅れたが、バイロイトからの電車も途中で運行中止になったようで、今回は不可抗力とは言え、DBは毎回問題を起こしてくれる。
 バイロイト市内に着いて、早速IPhoneのSimを入れ替えた。今回よりデータだけでなく音声も可能なものにしたので、今後別途ドイツ用携帯を持っていく必要が無くなる。でも、SIMの有効期限は2年なので、来年は買い換えねばならない。
 電車の遅れのせいで時間が無くなってきて、劇場前に開演15分前のファンファーレと共に到着、すぐsucheを開始した。殆どsucheしている人は無く、既に、終わっているかとは思ったが、恥をしのんで、チケット売り場の前まで行くと、ドイツ人と交渉中のイギリス人らしき年配のご婦人が近づいてきて、いくら迄払えるかと、まず聞かれた。チケットを見せてくれと言ったが、この値段では無いと言う。オンラインのしかも、くしゃくしゃの印刷されたチケットなので、転売出来るか分からないと、私が言うと、彼女はチケットオフィスに確認に入り、 名義変更OKとのこと。私の提示した価格で、良かったらしく、Mittellroge 席をお買い得価格で譲り受けた。印刷されたチケットは、オフィスで、名前を書き換え、スタンプを押して、サインしてもらわねばならない、
 Lohengrin は、BR-klassik でプレミエの映像を見て、ティーレマンの迫力を生で聞けたらいいなと、密かに願っていた。舞台は、何度も見たいというほどでもないが、やはり、今まで気づかない音が聞こえてきて、さすが、ティーレマン、欲を言えば、もう少し、近くで聞いてみたい。歌手は、本当に素晴らしい。完成された舞台を体験させてもらった。
 不思議なもので、何年間もVogt のLohengrin を聞き続けてきたので、あの声が自分の中に染みこんでおり、場面ごとに、さあ次は、こんな声でVogtは歌うと想像しながら聞いていたことに気づいた。正統派Helden Tenor ぽいBeczata の声と重なり合って聞こえて来てしまう。
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トルコ航空ーイスタンブール経由 [旅行]

 ここ何回かのドイツの行きは中東経由だったが、今回初めてトルコ航空を使ってみた。イスタンブールまで12時間、乗り継いで、3時間でニュルンベルクに着く。イスタンブールは、確かに、ヨーロッパに近いと実感する。
 夜出発で、夕食が出て、寝られる人は、十分に睡眠もとれる。意外だったのは、乗り合わせたトルコ人は、ほとんど日本語を話すことだ。日本で生活している人たちが、大勢いたのだ。子供の乗客も多い。
 ニュルンベルクの空港での入国審査は、初めてだった。当然トルコ人が大多数だが、EU窓口と、外国人窓口に並ぶ人数は、半々位に見えた。窓口の列で、EUと非EUの男性との間で、喧嘩が発生し、お互い罵り合いが始まった。なかなか収束する気配が無いので、ヨーロッパ系の男性が近づいてきて、EU男性を引き離し、窓口に連れて行き、さっさと入国させた。トルコ人は、子連れの普通のお父さんだったが、周りは皆傍観者だった。教訓として、トルコ航空では、入国審査が混雑するので、早めに並ぶべし。
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イスタンブールの空港
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シンポジウム「バイロイトに未来は、有りや、無しや?」 [その他]

 日本ワーグナー協会の第400回記念の例会ということで、標記テーマのシンポジウムが行われた。会員以外にも興味がある内容なので、100名を越える参加者があり、立ち見も出た。
 最近の運営データや、運営史の資料が配布され、祝祭の独自性について、考えさせられた。一時ナチズムのプロパガンダになった祝祭を、戦後、公的助成を受けて、ゼロから立て直したヴィーラントの舞台や、ヴォルフガングが招聘した演出家たちが前衛的であったのは、過去を打ち消し、ワーグナーの意志を守り、時代を先んじる祝祭を運営しようとする姿だった。現在のカテリーナが導入したチケットのインターネット販売、子供向けワーグナーオペラ、有名指揮者、演出家の採用等は、定款にある、作品についての理解を広め、客層を開拓するための試みという一面はある。
 個人的には、あの祝祭劇場の音がある限り、例え様式は変わっても、祝祭は存続する気がするが、未来の継承者は、時代を超えて、作品の中に新しさを見出すことを続けられるだろうか。余計なお世話だが。
 北川先生の力強いお話から、生涯バイロイトに関わるだろう当事者としての情熱と覚悟が伺え感動した。読み替え演出から、観客に考えさせる演出の時代になり、次にどんな時代が到来するのだろう。もう少し聞いてみたい。

司会進行 : 池上純一(埼玉大学名誉教授)
パネリスト: 北川千香子(慶應義塾大学准教授/演劇学)東条碩夫(音楽評論家)岡田安樹浩(国立音楽大学ほか講師/音楽学)
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ワディム・レーピン&フレンズ 2018 [コンサート]

 オーチャードホールに入るのは、何と今日で二度目。ちっとも行かないうちに、改装前最後の演奏会とのこと。演奏は素晴らしかったが、お客さんは少なかった。3階席は30人以下、階段席の内側には一人ずつくらい。二階は見えないが、一階は結構埋まっていた。この入りパターンは、経験的に、最後に招待券を出したような感じがする。これだけのメンバーを集めながら、この入りは、チケットが高過ぎるのか?
 演奏は一言でいうと、凄い迫力だった。レーピンの音楽は、とても自然で心地よい。作品に応じて、穏やかにも、激しくも、重厚にも、軽やかにもなる。これは、当然のようでいて、実際どんな作品も同じ奏法になってしまう演奏家は意外といるものだ。
 グリーグは美しく、ブラームスは荘厳に、後半のチャイコフスキー は全く違う雰囲気で、一にも二にも激しく演奏された。フィレンツェの思い出は、若い頃から不思議に感じていた。チャイコフスキーらしい美しさより、技巧や形式など複雑に組み合わさり、こんな室内楽も書けるという、新たな地位に相応しい渾身の作だったのだろうか。最後の室内楽となったわけだが、題名に意味はあるのだろうか。
 クニャーゼフを聞いたのは本当に久しぶりで、途中の人生に病気などのアクシデントがあった事は知らなかった。エンドピンを短くし、のしかかるような弾き方で、一見力業のように見えて、大きく豊か響いた音は3階席までよく聞こえ、テクニックも見事、もう少し近くでも、聞いてみたい。レーピンは勿論、Vlaのグリチュクも、音色音量ともに、思うまま、自由自在に流れ、ピアノも、若手3人も晴らしかった。お目当のVc2番岡本さんも、さすが一人で低音を支え、5人の複雑な音の動きに、よく呼応出来るものだと、関心する。
 一世代前は、海外の有名人と日本人が組んだ室内楽は、日本人がついていけず残念なことも多々あったが、今や世界レヴェルで活躍する若手日本人が大勢いる。このような混合チームの聴き、感嘆する時代が来たことは嬉しい。

グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ短調op.45
      <ワディム・レーピン、横山幸雄>
ブラームス:ピアノ五重奏曲ヘ短調op.34
      <ワディム・レーピン、神尾真由子、アンドレイ・グリチュク、アレクサンドル・クニャー ゼフ、横山幸雄>
チャイコフスキー:弦楽六重奏曲「フィレンツェの思い出」ニ短調op.70
      <ワディム・レーピン、神尾真由子、アンドレイ・グリチュク、大野若菜、アレクサンド ル・クニャーゼフ、岡本侑也>
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演劇についての新たな考察 – ペーター・コンヴィチュニーを迎えて [その他]

 コンヴィチュニー氏を見て最初に感じたのは、懐かしさだった。氏は痩せて歳も取って、誰にも時が過ぎたと実感する。このブログで数えてみたら2005〜12年まで氏の舞台を10作品は見た。それ以前にも見ているし、複数回見たものもあるが、随分前の気がする。当時、人の普通の感情を音楽に合わせて、表現できる舞台が凄いと思った。この日、解説のあった、ドン・カルロの「エボリの夢」は、もう一度見たい。あれほど音楽が場面にピッタリマッチした舞台は、傑作だ。笑い転げた。氏はプログラムに演出コンセプトを小難しく書いていたが、この会場では、とても平易な言葉で卒直に話された。そもそも、inszenieren(演出)とは、音楽をSzene にin(入込む)する事だと。そう言われ、はたと、魔笛のある場面の演出意図に思い当たる節があった。当時は疑問に思ったことだ。勿論意図が分かっても、全てに賛同する訳ではないが。
 コンヴィチュニーが、人の気持ちを揺さぶり、観客を啓蒙しようとするのは、現代演出とは違う。本来音楽は場面やその場の心情を表現しているはずだが、それを眼前に見せることは難しい。コンヴィチュニーは、個々の作品のスコアも、広く音楽が物事、心情を描写する本質的機能についても熟知しているから、まるで魔法がかかったように、音楽と場面が相互にマッチしてしまうのだろう。
 もう一つ、気づかされたことは、原作の結末を変えてしまう理由だ。例えば、今回二期会の「魔弾の射手」はもう20年近くまえの演出を、少し日本風にアレンジしたそうだ。氏曰く、この作品の舞台で、よく、ザミエルの悪魔がおとぎ話のように扱われるのは、最後唐突に隠者を登場させ、話をまとめるところに理由があると。作品成立の時代背景から、原作通りでは、検閲に通らないからの妥協策とのこと。だから、自分は、ザミエルを本来社会に存在する、悪魔的なものとして正しく扱い、結末と変えたと。結末を変えたり、作品中には居ない役作ったりする演出は、例えば原作に政治的制限があったと感じたり、時代の変化の中で、違和感を感じ、現代の一般大衆の感情や価値観に適合させようと、演出家が、独自性を加味するという意味で、ポジティブなことなのか。作曲家は音楽に妥協は無くとも、台本は手加減したかもしれないことは、なるほど想像できる。
 観客も演出家も、十人十色。相性の良い演出家に出会いたいものだ。
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ザムエル役、宝塚、大和 悠河さんと
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プーシキン美術館展 [美術・博物館]

 友達に誘われて、上野のパンダ入口の行列を横目に、隣の東京都美術館のプーシキン美術館展へ行った。ロシアが所蔵する印象派やフランスの風景画というのは意外な感じがし、ロシアは日本へ貸し出せるほどフランス絵画持っていることをPRしているのかと、ふと思ってしまう。
 分かりやすく展示された、綺麗なフランス風景画の歴史の初期には、神話と実際の自然の風景をミックスして、意味を持たせていたらしい。モネの「草上の昼食」はオルセーにある大きな断片とは別に、下絵から完成させたものとのこと。左から4番目の男性が全く別人になっている。セザンヌも展示されている二点だけなら、慎ましく美しいと感じる。マティスの風景画は見た記憶が無く、珍しいと思う。パリでジヴェルニーは行ったばかりだし、本当に写真と現実が同じ印象だ。全体的に控えめな展示がほっとする。
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2018 .5.旅の雑感 [ドイツ]

 今回の20日間の音楽の旅では、加齢による聴覚の低下なのか、大音量の音楽に出会わなかったことが印象的だったが、これは、聴衆の嗜好ばかりでなく、音楽へのアプローチの変化が公認されたというか、原典重視、楽譜の修正と改定の促進、楽譜通りの音の再現こそが、作曲家の意図であることが、広く受け入れられてきたからではないかと思う。この流れが始まって、10年以上たつが、昔の巨匠の自由な表現と違い、整然とした音楽の中に、指揮者の個性があり、指揮者が作曲家に自らを捧げる姿に感動を覚える。
 想定内の旅の不都合については、やはりインターネット接続だろう。勿論以前よりは遥かに進化しているが、昔はメールチェック程度だったものが、今は自国に居る時と同じような接続が欲しくなっている状態。なぜなら、DBが遅れたり、市営交通が止まったり、現地情報収集に、現地のアプリが有用だからだ。電車の接続が遅れたとき、焦らず次を見つけられる各都市の交通アプリは有難い。ミュンヘンでさすがと思ったのは、Sバーン工事の3日間の初日に到着日が当たってしまい、代替えとしては、地下鉄、バス、市電とあるので、やむを得ないと思ったが、その時、市営交通アプリは使えないと画面表示が出るが、Googleの検索では、見事にSバーン抜きの接続が出て来たことだ。店探しなど以前なら宿のフロントに尋ねたことも、ネット情報の方が確かなことがある。今回も親切なメガネ店探しでネットにお世話になった。宿でのネット接続が悪い場合、ショッピングモールのネットを利用した。安全性のレヴェルは分からないが、スーパーREWEのネットは素晴らしい。大きい店ならカフェが有るし、乗継に遅れたダルムシュタットでは、駅の通路にあるREWEの前に沢山のベンチが並んでおり、思わず顔がほころんだ。
 iPhoneは、一年前からドイツテレコムのデータ通信用のSIMカードに入れ替えているが、田舎では、意外と接続しなかった。一方、ICEのネットはいつの間にかより使いやすくなっていて良かったが、乗っている列車が何分遅れか、詳細は自分でチェックせよと言わんばかりだ。勿論一応車内掲示は出る。とはいえ、乗るまでは、五感を働かせることが基本で、遅延やホーム変更の第一報は、耳から来る。そして夜のRE、S-Bahn、地下鉄はどうだっただろうか、車内放送が無くなるので、夜の景色に見慣れておくことは、今なお大事なことだ。
 便利になったミュンヘンの日曜日、中央駅の地下など、お店がほとんど開いていて驚いた。以前はパン屋さんは皆休んでいたが、もう以前のような心細さは無くなった。
 一つ失敗談、DHLの郵便小包を本番翌日、フランクフルト中央駅内のポストからミュンヘンの友人宅に発送した。乗り換えの合間でちょっと焦っていたこともあったのだが、どうも送り先の郵便番号を書き間違えたらしく、アウグスブルクへ行ってしまい、一週間後私が帰国した日にやっと友人宅に届いた。日本の宅配便と違うところは、送り状の一枚目は無く、控えが無いということだ。追跡番号で検索できるが、届いてみるまで、自分の過ちがわからない。電話での問い合わせも基本的には無い。日本人的には、郵便番号だけの間違えで、相手の電話番号も書いてあり、追跡段階で自分のメアドも入れたので、もっと早く反応してくれそうだものだと、期待してしまった。郵便局はいつも使っているが、今回始めて、事故が起こった。次回からは、発送前に送り状の写真を撮ろう。
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新国立劇場ーフィデリオ② [オペラ(国内)]

 カタリーナ・ワーグナー演出、楽日のフィデリオを見ることが出来た。飯守先生芸術監督最後の作品となる。家人はすでに見ていたが、幸い話も聞かず新国立劇場のHPも覗かず、全く中身を知らずに、舞台を見ることができた。
 まず初めに、1幕の古典的で、少しだけロマンチックなべトーヴェンの音が、何とも美しく感じられ、純粋、明快な構造の音に、心が洗われる感じがした。やはり、ヴェートーベンは、偉大な作曲家だ。
 カテリーナの舞台では、1幕は大概ノーマルで美しく、2幕以降、登場人物のキャラクターが顕在化してくる。そして、最後は、まさかの善と悪が逆転。その発想と最終プロセスが、彼女の見せ場だと思う。
 2幕に入ると、音楽は力強さを増し、終盤、苦しみを突き抜けるエネルギーが蓄積されてくる。最後昇天してしまった二人が、力強く愛を讃えるのは、音楽が正直なだけに、筋書きとのミスマッチが微妙だ。
 筋書きを逆転させるのは、もっと複雑な音楽の方が合っている気がする。
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ペトレンコ・マーラー交響曲第7番 バイエルン国立歌劇場管弦楽団 [コンサート]

 ドイツ最終日、期待に違わず、美しく繊細な音楽を聞かせてくれた。今回の旅で実感したことは、世の中の音の嗜好が変わったのではないかということ。20世紀は、大音量で迫り来る迫力がもてはやされたが、今は、天上からあまねく降り注ぐ雄大な大自然の音の全てではなく、その中で、自分が聞きたい音を選び取りに、狩りに行くような気持ちが優位に立つのではないかと思う。ショルティ、アバドなどのマーラーは、私の周囲で崇拝者がいた。マーラーが書いた複雑な声部全てを鳴らし尽くすと、実際には騒音になりかねない気もするが、マーラー自身が体感した、雑踏や生活音は、マーラーの世界観を表わす音と皆信じ、その再現にオケも指揮者も全力で挑んだのが20世紀ではないだろうかと、何となく今感じている。
 ペトレンコは、これまでの音楽体験、記憶の中では、まとまったハーモニーの塊にしか聞こえていなかった音を切り分け、聴衆に新しい世界に目を開かせる。これは、どんな作品においても当てはまる。ベルリンフィルとの組み合わせでも、新しい音の世界を、次々披露してくれると思う。なぜか、人がAIと戦うイメージが頭に浮かぶ。
 遠くで微かに聞こえるカウベル、窓辺で囁くギターとマンドリン、独特のリズム感があるメロディー、どれも自然界のどこからか聞こえてくるようで、新しい体験だった。
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Spargel [ドイツ]

 旅の終わりは、ミュンヘンの友達の家へお世話になった。一晩だけ家主の友人が戻ってきて、一緒に近くのLokalのビアガルテンで食事をした。ドイツに来て、この二週間の失敗談、日本のアマオケと違うところ、指揮者のこと、パリの変化、ドイツとフランスのコンサートの違いなど、拙いドイツ語の話を隅々まで聞いてくれて、彼女が若い頃、2か月パリに行った時の苦労話など、聞かせてくれた。皆同じような経験をしているものだ。
 やっと Spargelも食べることができた。自分の家と思って居ていいからというのは、本当に暖かい言葉だ。ありがたい。
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バイエルン国立歌劇場ー死の家から ヤナーチェック [オペラ(海外)]

 カストルフ演出、シモーネ・ヤング指揮、ヤナーチェックの「死の家から」を見た。勿論この作品自体初めてだ。5/21にプレミエだったばかり。ドストエフスキー原作であり、シベリア収容所の暗い話だが、音楽は美しい。ヴェルディもそうだが、残酷な場面ほど、音楽が美しく、苦しさが緩和される気がする。ヤングの音楽は、いつも感じることだが、優しく、柔らかく弾み、丸みを帯びている印象だ。コンサートより、オペラの方に向いていると思うのは、細かな指示より、流れる雰囲気づくりが良いと感じるからだ。
 カストロフは、Stuttgart のファウストに続き、また出会ってしまった。この複雑な人間達の劇を本当に上手く作っているとは思う。定番の、回り舞台の建物と奥を撮すカメラとスクリーン。個人的には、バイロイトのリングには相応しくなかった気がするが、このような、汚い場面づくりには、俄然燃える人なのだろう。登場人物たちの、人間の根底にある、不本意さのリアルな表現に長けている。とはいえ、この1時間半ほどのオペラに、ここまで没入したい人は、よほどのマニアだろう。見て、耐えて、さっさと帰ったお客様もいた。こういうものに、慣れるのはどうかと思うが、私には拒否反応はもはや起こらない。
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パリを脱出~ミュンヘンへ帰る [フランス]

 どうしても、毎回、脱出という思いが沸いてくる、パリの旅立ち。朝6時に宿を出た。東駅に着くと、同じDBで帰るドイツ人が結構待っていた。Stuttgart までのICEは空いていて。順調に次のICEに乗り換えられて、ほっとした。来るときは気づかなかったが、国境のストラスブールで、ホームに停車してから、10分以上ドアが開かず、警察が全車両見回ったらしかった。またパリでテロもあったし、移民難民チェックだろうか、厳しいものを感じる。
 今回、パリで気づいたのは、地下鉄で話されいる言葉は、フランス語でないことが多い。私の宿が外人が多い場所のせいもあるが、アラブっぽい言葉に聞こえる。フランス語を話すアフリカ人は、目立たなかった。  宿の最寄りの地下鉄駅を出ると、何人もの、アラブ系の人達が、タクシー勧誘の電話番号を渡している。また、出口から無理に入る人、改札機を乗り越える人は、相変わらず多いが、窓口の人は、無視していた。
 一度、地下鉄の中の揺れで、ドスンと倒れた白人男性がいた。話に夢中だったようだが、普通の紳士だった。それを見たせいもあり、私も一度混んだ車内で、捕まる棒を失い倒れそうになり、思わず手を伸ばしたら、座っていた、インド系の女性が、手を握ってくれた。お礼を言うとにっこりされ、本当に助かった。
 DBは30分遅れ、12:30ミュンヘン中央駅に着いた。この空気はドイツだ!と、今回も無事に帰れたことを、ありがたく思った。
整備された、東駅前
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駅舎内
開店前のスタバ
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コーヒー買って発車
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リッカルド・ムーティ ルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団 [コンサート]

 昨日と同じ会場のPhilharmonie de Parisだが、金曜日夜とあって、周囲は昨日と一変し、活気があり、夜のマルクトも開催されていた。以前は、金網の囲いはなかったのかもしれないと思いつつ、広いスペースを歩いてみた。場所はパリのコンセルバトワールの隣接地。駅は地下鉄5番のPorte de Pantin。
 ムーティと手兵のユースオケによるイタオペの前奏曲、間奏曲集で、歌ものは無い。カヴァレリアルスティカーナの間奏曲以外は、私には馴染みのある曲では無かったが、きっと有名なのだろう。曲数が多い割に早く終わったが、さすがにムーティ、手馴れたもので、今日は値段高めの正面の席だったこともあり、間近でイタリア音楽を十分に楽しめた。昨日座った舞台裏の屋根の上にはパイプオルガンのパイプらしきものが立っていた。
 イタリア音楽は、4月に日本のアマオケで実質初めて演奏したが、音が梯子を駆け上がるような軽やかさと、淀みない歌心、躊躇なくやって来る柔らかで強烈なff、これは、熟練が必要だとつくづく感じた。我々には、真似できそうもない。
 帰り、パリ在住の日本人おばさまに話し掛けられた。ワーグナーがあるとパリに来ると言うと、ヴェルディが好きでワーグナーは嫌いとのこと。世界中、お気に入り歌手の追っかけをされているそうで、色々写真を見せてくれた。ミヒャエル・フォレだけは、共通した歌手で、また会いたいわねと言い残し、慌ただしく地下鉄を降りて行かれた。
Alfredo Catalani:Contemplazione
Pietro Mascagni:Cavalleria rusticana / Intermezzo
Ruggero Leoncavallo:Pagliacci
Giacomo Puccini:Manon Lescaut / Intermezzo
Giuseppe Martucci:Nocturne op. 70 n°1
Umberto Giordano:Fedora / Intermezzo
休憩
Giuseppe Verdi:Les Vêpres siciliennes, acte III, Les Saisons
           Les Vêpres siciliennes / Ouverture
パイプ
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舞台下ベニヤ板
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廊下
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コンセルバトワール
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ホール前にヤギさん
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パリ管弦楽団-デビッド・ジンマン Philhamonie de Paris [コンサート]

 Philharmonie de Paris に初めて行った。聞きしに勝る素晴らしい 巨大な建物だ。入り口が3階、9階に大きなルーフバルコニーがある。エレベーターがあるが、下りは外回廊スロープを降りてきた。日本では、柵も金網もないこんな危険なスロープはありえない。雄大な建築物だ。
 席は、オケ裏側の安い席だったが、視覚的には、裏側というマイナスイメージが無い。ホールは良く響き、また、ここでも、小さな音に耳を傾ける体験を繰り返した。まさか、自分の耳の老化ではないだろう。前半2曲も、繊細な演奏だった。現代曲が、騒音に聞こえた時代は終わり、21世紀は、静寂、繊細なものが渇望される時代かも知れない。シフは見た目は老けたが、ピアノは繊細で、後ろ側でも、ホール中に響いて、はっきり聞こえた。
 ドイツと比較して、パリの人は音楽を聴いていない気がする。と言うより、音楽のある空間に身を置いた自分を楽しんでいるとでも言おうか。自分が中心だ。無防備に咳をする人、身体を動かしている人がとても多い。また、隣の人と愛を語らう人も多い。もちろん高いチケットを買っている人は真剣に、身を乗り出して聞き、微動だにしない人もいる。また生徒集団も鑑賞にきており、階段を駆け上がったりして、先生に怒鳴られたりしていたものの、一応演奏中は静かにしていた。でもアンコールまではもたず、べちゃべちゃしゃべる声が、ホール中に響いていた。外国のオーケストラが、日本に来て、行儀の良さに感動するのはわかる。コンサートもオペラもエンターテインメントなので、その場で自分が幸せであることが一番大切なのだろう。ドイツに帰りたい。

指揮:David Zinman
ピアノ:András Schiff
パリ管弦楽団
アルテュール・オネゲル 交響曲第2番
シャルル・ケクラン ジャングル・ブック
ベートーベン ピアノ協奏曲第4番
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ルーフバルコニー
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パルジファル オペラ バスチーユ2018 [オペラ(海外)]

 新演出のParsifalへ行った。バスチーユのParsifalは2009年に、前の演出で聞いている。フィリップ・ジョルダンでは、ジークフリートのときの印象が残っているが、今回は、もっと静かな演奏で、一階席後方では、耳をそばだてないと聞こえないほどだ。従って、歌手の声も良く通り、劇場が大きすぎてさすがにシャーガーのど迫力は伝わってこないが、まとまった、落ち着いた舞台だと思った。
 場面は、ほぼ現代の新興宗教団体の寄宿舎のような感じで、アムフォルタスの部屋、ティトゥレルの部屋など、およそ4場面が、横に移動する。クリングゾールは、植物工場のような電気の下で、植木鉢の花を丹誠込めて育てている。連想通りの場面展開となる。
 2幕花の乙女はまあ、仕方ないとして、自分の経験からは、舞台も穏やかな方だろうと思う。1幕の聖堂の場面も合唱も、殆ど激しさは無く、Timpが入って、ほんの一瞬、力強さを醸し出した。1幕後、地元の年配の女性に話しかけられたが、ジョルダンが、ウィーンへ行ってしまうのは、とても残念だとこぼしていた。
 Stuttgartで感じたことだが、時代は、襲ってくる大音量ではなく、自分から探しに行く、綺麗な音に、気持ちが向いているような気がする。ハンメルブンルクのオケはドイツだったが、やはり、そう思った。
 しかし、一階席では、前奏曲の間中、7〜8秒に1回位、どこかで咳をしていた。これは連鎖反応で、今のうちに、咳払いしておこうかというのが、有り有りと感じられる。
 歌手は、本当に、全員自然派の歌唱とでも言おうか、上階でどう聞こえるかわからないが、オーディオならば、もう少しヴォリュームを上げて聞きたかったというのが、本音だ。
Conductor:Philippe Jordan
Amfortas:Peter Mattei
Titurel:Reinhard Hagen
Gurnemanz:Günther Groissböck
Klingsor:Evgeny Nikitin
Kundry:Anja Kampe
Parsifa:lAndreas Schager
Zwei Gralsritter:Gianluca Zampieri、Luke Stoker
Vier Knappen:Alisa Jordheim、Megan Marino、Michael Smallwood、Franz Gürtelschmied
Klingsors Zaubermädchen:Anna Siminska
Katharina Melnikova
Samantha Gossard
Tamara Banjesevic
Marie‑Luise Dressen
Anna Palimina Eine Altstimme aus der HöheDaniela Entcheva
残念ながら、プレミエ時のシャーガーの映像はもう出て来なかった
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入り口手荷物、身体検査のゲート
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パリ到着 翌日 ジヴェルニー [フランス]

 パリは、2013年ジークフリート以来。その前は、2008、2009年。DBで東駅に着くと、駅は綺麗にこざっぱりとしていて驚いた。以前のような、埃に煙った怪しげな光と空気はもう無い。DBで隣席だった若いドイツ人女性は、初めてのパリでオーペア(家事子育て手伝い)で2カ月滞在するとのこと。不安と期待で一杯だ。念の為、尋ねたら、駅までお迎えがあると聞き、他人事ながら安心した。
 今回の宿は地下鉄4番の北方面だが、3〜6月4番の北駅ホームは工事中で、停車しない。夜バスチーユに行く為、5番地下鉄を利用したが、以前より、明るく車両も新しくなり、地下鉄の不安感は、緩和されたと思う。シャトレ駅の長い乗り換え通路では、以前よく警察官に出会ったが、照明も明るくなり、歩く歩道が出来ていた。この5年で、安全さが増したように思う。
 翌日は、モネの家ジヴェルニー(GIVERNY)に行った。一度行ってみたいと思っていたが、今回季節も良く、安全第一で、初めて現地ツアーに参加した。ギャラリーラファイエット前に朝集合、午前中のツアーだ。美しい花々、モネの絵と同じ柳だった。家の中の絵画はレプリカだが、たくさんの浮世絵は、全て本物、グルメだけあり、キッチンも見事だった。
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ヘッセン州立劇場--アラベラ [オペラ(海外)]

 ヴィースバーデンは何度か来ているが、オペラは初めてだ。火曜日は温泉が女性の日ということで、温泉とオペラをはしごしようと思って来たが、フランクフルト駅のポストで重い荷物の一部をミュンヘンの友達の家に送ったり、現地アパート入室時、電話しても管理人がすぐには到着せず、色々時間がかかって、温泉は無理だった。
 劇場のホワイエが、昔の館をそのまま利用していて、お城のレセプションのように豪華絢爛だ。
 舞台は、筋書き通りで、音量は押さえて綺麗さが、引き立っていた。
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Conductor:Patrick Lange
Adelaide:Romina Boscolo
Arabella: Maria Bengtsson 
Zdenka:Katharina Konradi
Mandryka:Ryan McKinny
Matteo:Thomas Blondelle
Count Elemer:Aaron Cawley
Count Dominik:Benjamin Russell
Count Lamoral:Alexander Knight
The Fiakermilli:Gloria Rehm
Fortune-teller:Maria Rebekka Stöhr
Welko:Martin Plass
Djura:Thomas Braun
Jankel:Wolfgang Meinert
Hotel Porter:Jochen Elbert
Three Card Players:Oliver Steinmetz, Leonid Firstov, Aldomir Mollov

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ヴィースバーデンへ [ドイツ]

 昨日コンサート終了後、殆どの参加者は会場のあるヴュルツブルクから、直接自宅へ帰ったり、そのまま旅行で出掛けたりした。ハンメルブルクにバスで戻ったのは、日本人参加者9名中4名とドイツ人数名、合わせて10人くらいだった。
 朝食をゆっくり摂って、11時の電車でフランクフルト経由でヴィースバーデンへ向かう。フランクフルト中央駅で、荷物を減らすためプログラムやお土産のお菓子など、ミュンヘンの友人宅に送ってから、Sバーンでビュルツブルクへ向かった。
 帰りは、アカデミーの車で、駅まで送ってもらった。
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BDLO 2018コンサート終了 [コンサート]

 金曜日夜から始まったオケの練習は,思った以上にとても丁寧だった。大きな音を出すのではなく、音を聞き、ハートで感じるよう、繰り返し指揮者から言われた。自制心を失いそうな大音量の場面では、keinen Krieg!、kein Fleisch! などの指示があり、日本には無い表現が聞けた。4楽章のブラ1のようなメロディを、freundlich! なるほど、簡単な言葉で、音楽の雰囲気を表現できる。また、ピュアに美しいところは、ハートマークを書くよう言われ、その気持ちを共有したいという。音楽を糧に生命を維持しているような、音づくりに身も心も捧げているようなマエストロだった。
 パート練習も、ゆっくり何度も、全員がパートの音に耳を集中できるまで繰り返し練習する。指揮者は全体的に、ゆっくりめの、演奏可能な、どの音にも心をそそぎこめるような音楽を導く。それで、勢いで、やっつけ仕事になりがちな、4楽章のフーガ以降は、カットされることになった。長すぎること、金管がきついという理由のようだ。チェロは、本来、5ページ半、休み無しに弾き続けるところが、一番の弾きどころの4ページがカット、高弦も、ホッとしたような、残念なような気分で、昨日はちょっとショックを受けたが、ワークショップとしては、いい加減な演奏はしたくないということなら、致し方ないだろう。
 ワークショップ初日、ハンス・ロット協会会長が、近くに住んでいるそうで、ご挨拶に来て、ハンス・ロットのことを熱く語り、演奏会を楽しみにしていると言って、帰って行った。本番を聴いてどう思われただろう。
 ビュルツブルクでのコンサートのお客様は、今年は少ないようで、5〜60人位に感じられた。一応、10オイロの入場料は取っているようだ。
 ドイツのアマオケは、たくさんあるが、日本のように大曲はあまりやらないそうで、このBDLOのイベントは、大人気とのことだ。各パートに一人、プロが入るのに、トロンボーンはちょっと。ホルンはとてもうまく、ペットは段々と調子を上げた。ただ、入りを間違えたり、指揮のテンポをつかめないのは、準備不足ではないかと思う。弦楽器はどのパートも難しかったようだ。
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3日目練習終了 [ドイツ]

 3日目になると、さすがに疲れてきて、昼休みは部屋で、休んでいた。午後の休憩とコーヒータイムがくっつき、夕方からの練習となった。昨晩から、4楽章の一部がカットになるという噂が流れていて気になっていたが、朝食前に、ホールで指慣らししていると、チェロの女性が、多分カットが出ると教えてくれた。昨晩決定したという。夕方からの練習の始めに、指揮者から、カットの部分が発表になった。
 何と4楽章の265~473小節、低弦から出るフーガ以降、いかにも気が狂った、テーマが終わらない4楽章の中心部分がカットになった。金管に負担だから、ということだが、ショックだ。
 ロットのこの曲、1・2楽章は簡単だが、3・4楽章は後ろになればなるほど巨大化、複雑化してきて、特にフーガの部分は私には技術的に難しく、GWを潰して暗譜するくらいまで練習したのに個人的にも残念だし、第一この部分をカットして、ハンスロットを演奏したとは、恥ずかしくて言えない。
 指揮者は初めから金管には不安らしく、練習ではかなり時間を割いていて、逆に弦楽器に対しての要求は少なかった。金管は音は出ているが、テンポ感が悪く、正しく入れない人がいるとか、練習不足は感じられるが、カットするなんて、想像していなかった。
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2日目練習終了 [ドイツ]

 午前はパート練習で、ドレスデンから来た若いプロ奏者の指導で、とても丁寧に周りを聞く練習をした。自分の音が聞こえるのは、音が大きすぎる場合がある。周囲の音と溶け合うようにとのこと。同じところを、何度もゆっくり練習した。そもそも日本のアマオケでパート練習自体珍しいし、これだけ丁寧にゆっくりから練習をやらないと思う。大変参考になる。
 チェロメンバーはトレーナーを入れて9人、募集要項では同じく16人、弦20型になっていたので驚いていたが、さすがそこまで集まらず、常識的な人数となった。Prof.やDr.の称号を持つ人が多く、高学歴集団だ。
 昼食後、午後の休憩が長いので、日本人の他の参加者と裏山へ登った。城跡を利用したホテルとレストランがあり、眺めが良い。
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初日練習終了 [ドイツ]

 結局楽器を手にしたのは、夕食後の初練習の前、チェロを2台持っているおじさまが、貸してくれた。抑えが柔らかく、サイズも丁度良い。音程のツボにハマるようになるだろうか。
 初日は22時頃練習は終了した。丁寧な練習で、全曲は通さなかった。
 アカデミーは、とても綺麗で、食事も良く、宿泊は3人又は2人部屋でシャワー、トイレ付き、練習後は、石造りのケラーでワインやアルコールを買って、宴会する。
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Hammelburgへ [ドイツ]

 今回ドイツに来た本来の目的は、BDLO(Der Bundesverband Deutscher Liebhaberorchester :ドイツアマチュアオーケストラ連盟)主催のアマチュアオーケストラワークショップに参加するためだ。身体を慣らすためという名目で一週間前にドイツ入りし、楽器無しでぶらぶらしていたが、いつもの旅と違うのは、譜面台と、弓を持参していること。楽器は現地で貸してもらえるのだが、日が近づくにつれ、全く初めて聞いたハンス・ロットの凄いスコアを、初めての楽器で弾く怖さが襲ってきて、無謀な冒険だった…と後悔しながら、ハンメルブルクに向かった。
 少しでも早く、楽器に触りたいという気持ちから、早めに着いてハンメルブルクの駅からのんびり歩くつもりだったのだが、いつもは持たない、譜面台と弓が加わって、荷物が重く、ついにStuttgart で、歩きを断念し、合宿会場のムジークアカデミーで紹介してくれた、白タクに電話して、迎えを頼んだ。7ユーロだった。ここは、バイエルン州のかなり田舎で、タクシーすら無い。
 Stuttgartを朝9時に出発、順調に行けば14時前にハンメルブルク駅に着くはずだが、予想どおりICが遅延、1回目の乗り換え駅ダルムシュタットで既に当初予定の便には乗れないこと決定。想定内のことで、白タクは1時間後の15時前最初からで予約してあった。DBはサービスのつもりか、予約した列車の遅延情報をメールで送ってきてくれたりするが、それより毎度の遅れ自体何とかして欲しいところだ。
 ゲミュンデンという田舎の駅でもう1度乗り換え、ハンメルブルク駅に到着、途中で行き会った日本人参加者と会場へ向かった。自然に囲まれた良いところだ。
ダルムシュタット駅
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会場に到着
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シュトゥットガルト歌劇場-WUNDERZAICHEN [オペラ(海外)]

 なぜ、Wunderzeichen ではなく、ZAICHEN なのかよく分からないが、もじりと思うことにした。これは、音を楽しむオペラであり、アフタートークに、作曲家、指揮者、演出家、歌手、プレトークにも出た女性を含め総勢5人登場。指揮のカンブルラン氏の話によると、騒音と音楽の境い目を体感できるということ。たとえば、人が何かにドキッとしたとき、体や頭はその音を感じている。そういう、血液が流れる音や、呼吸、脈の音などを、表現しているらしい。楽器の使い方も面白く、例えば、ホルンのマウスピースに息だけを吹く音、叩く音、ピアノの弦を弾く音、打楽器に聞こえる低弦の音などは見てわかる。アフタートークで出る質問は、何でこんな音楽?的なネガティブなものが主だが、作曲家は、口下手らしく、上手く答えられない。その点、はっきり説明できるのは、カンブルラン氏だ。冒頭の弦楽器の弓は、何?という質問には、明確に答え、弓を動か速度が、呼吸の変化であり、搭乗口を突き進む時は、武器にもなると。
 公演に人は余り入っておらず、ちょっと見、1/4位だろうか。場面はテルアビブ空港だが、そこから脱出できない人間が、体から発する、救いをもとめても届かない信号のようなものを感じる。
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