新国立劇場-椿姫 [オペラ(国内)]

 今シーズン最後の演目は椿姫、久しぶりに新国立の音を聴いた。
 歌手はまあ、普通に良かったと思うが、前奏曲が始まった瞬間から、オケには妙にがっかりした。何度もやっているからこんなものだ、という音が随所に現れてしまっているような気がする。始まりは暗闇の中の一筋の灯明のようなもっと、緊張感のある音色を期待していたのに・・・。美しい傑作をその度ごとに感動して演奏してもらいたいものだ。
 ヨーロッパの印象では音楽に感動せずに演奏するプレーヤーはいるのだろうかと思うほど、誰もが音楽を楽しんでいるようだ。たまに楽譜を忠実に音にしているだけの演奏もあるが、それは別の次元の話で、感動の無いオペラなどありえないと思う。豪華な舞台とちぐはぐな音は、逆に作品自体の凄さを際立たせる。ヴェルディ特有の残酷な場面のあまりに美しい音楽と、あっけないヒロインの最期は不本意と思いつつ、劇場に足を運んでしまうのだ。(G)
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 ヴィオレッタのエレーナ・モシュクは、ネットで調べるとグルベローヴァの再来と言われているコロラトゥーラの名手だそうだが、「ああ、そはかの人か」のしっとりした歌い方が良かった。「花から花へ」では、それほどの技巧の持ち主とは思えなかった。
 この人は声が大変きれいで、どちらかと言えば、2幕3幕のアリアの方が素晴らしかった。髪が黒く日本人よりも小柄なくらいで、何となく親しみが持てる感じ。
 アルフレードのロベルト・サッカも、張りのある声で良かった。ジェルモンのラード・アタネッリは、声も容姿もちょっと若めな感じだった。
 オケは、1幕の最初の方はあまりやる気の無い感じだったが、幕が進むにつれ、たぶん指揮者の指示であろう弱音が美しかった。
 ところで、ふだんイタリアものはあまり聞かないのだが、アリアごとの義務的な拍手は必要なのだろうか?決まりごとのようにパラパラと拍手をする人がいて、不必要に音楽が中断する。特に、ああ、そはかの人か~花から花への間は、拍手をするのが普通なのだろうか?(B)
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