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ドレスデン国立歌劇場ーティーレマン・ラインの黄金 [オペラ(海外)]

 1年も前に売り出されたティーレマンのリングチクルス、月末にももう1度まとめてあり、日本からは、そちらに行く人が多いと思われる。
 さすがティーレマン、最初からかなり気合が入っており、氏独特のうねりと抑揚で、ペトレンコとは全く違うラインゴルトとなった。改めて、劇場の特徴がこちらの方が優位ではないかと思う。ドレスデンのピットは深く、指揮者は客席から全く見えない。ピットの中でオケ全体の音が融合するのが、やはり長所だ。だから、どの席でも、まとまった音が聞こえるのではないだろうか。一方ミュンヘンのピットは浅く、ペトレンコの胸から上は、はっきり視覚に入る。金管の配置も、右に、ペット、トロンボーンの他に、チューバ、ワグチューを配している。私が聞いた席では、左手の木管とペットかトロンボーンが、ズレて聞こえたところがあった。ドレスデンは、左側に、上ふたつの金管も配し、左側の私の席でも、弦楽器の音が近く聞こえた。ミュンヘンは、パルケットの11列目以降、或いは2階が、音が良く溶け合うような気がする。
 歌手は、皆一流どころで、それぞれ聞かせ所を期待に違わず見せてくれた。
 舞台については、椅子の背が並んで波打つのは、どんなもんかと思うが、ミュンヘンのように、椅子の背と同じくらいの大勢のひとが動き回り、音を吸い取られるよりは、静かで良いような気がしてきた。

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ベルリン風景、ドレスデンへ [ドイツ]

 アレキサンダープラッツから、ドレスデン行きのflixbusに乗ったら、シュプレー川沿いを走り、オストバンホフ近くのベルリンの壁イーストサイドギャラリーをバスの中から見ることができた。Schönefeld 空港を過ぎるとアウトバーンに乗る。ベルリンの端の風景を久しぶりに見た。
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 バスも時々遅れたりして、不安なことも多いが、今回は乗り心地も快適で満足できた。ベルリン~ドレスデンくらいの距離なら、運賃も安いしDBより良いと思う。
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ベルリン国立歌劇場ーナクソス島のアリアドネ [オペラ(国内)]

 お宿を提供してくれるベルリンのアルゼンチン人友達は、ともかく話し好きで、この日もオペラへ行くと知っているのに、なかなか解放してくれない。何とか開演15分前に着いたが、お喋り旋風のなか、iPhoneの充電を忘れてしまい、昼満タンだった電池が無くなっていた。ベルリンは、ミュンヘンよりだいぶ寒い。皆帽子を被っていて、これこそ、ドイツの冬の出立ちだ。
 新装成ったリンデンオパー、以前はどんなクロークだったか忘れてしまったが、左右地下にあり、ちょっと狭い。終演後など、私は最上階だったので、周り階段を降りる時点で、クロークの行列が始まり、階段の隙間から真下をみると、ずっと続いていた。
 中の様子は、綺麗に蘇っていた。壁の白と椅子の赤が鮮明になった。日本でお寺など修復して、建立時の姿を蘇らせる作業に似ていると、ふと思った。2階の小さなホールは、念入りに輝かしいレセプションルームになっていた。地下の飲食コーナーは、何年か前きれいになっていたので、テーブル席があったかどうかは、よく見えなかった。
 中央近くの4階席一列目に座る機会は、以前は殆ど無く、いつも最後列をとっていたので、妙な比較になってしまうが、シラー劇場に比べると、素晴らしく音響が良かった。以前のここの音をイメージとして思い出せないほど、時間がたってしまったのか。長かった。
肝心の演奏だが、強行日程で疲れきって爆睡状態、隣席の常連さん(?)に足を蹴飛ばされてしまった。

Conductor:Eun Sun Kim
Der Haushofmeister:Elisabeth Trissenaar
Ein Musiklehrer:Roman Trekel
Der Komponist:Marina Prudenskaya
Tanzmeister:Jürgen Sacher
Primadonna - Ariadne:Anna Samuil
Tenor - Bacchus:Roberto Saccà
Zerbinetta:Brenda Rae
Harlekin:Manuel Walser
Scaramuccio:Linard Vrielink
Truffaldin:Grigory Shkarupa
Brighella:Jonathan Winell
Najade:Evelin Novak
Dryade:Natalia Skrycka
Echo:Sónia Grané

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ベルリンへ [ドイツ]

 ラインゴルトがはねて、夜11時前に家に戻ってきた。Sバーン駅から近いので有難い。結局時差ボケで、夜中3時に風呂に入り、部屋を片付けたりして殆ど寝る時間も無く、6時前の電車に乗り、中央駅へ向かった。真冬のドイツは、朝7時でも暗い。ならば、早朝出発時間は朝5時でも6時でも、真っ暗なことには変わりない。少し気が楽になった。
 今日はベルリンまでDB自慢の新路線。時間が短縮され乗り換え無しで実際、4時間半で到着した。ミュンヘン始発ではあったが、静かで携帯電話使用禁止の車両のテーブル席を予約した。インターネットも来ないのではないかと予約後に思ったが、それは1時代前の話、ネットと電源があり、しかも静かで、最高だった。
 途中、同じテーブルに、ビジネスマンが二人乗ってきて、エアフルト~ライプツィヒという短い区間であるが、過去の経験から席を取ったなど、大声で喋り続けた。すると少し離れた若い女性が、車掌さんに、注意して欲しいと言う。確かに、ここはRuhebereich、Quiet Sone、イタリア語でも表記され、窓の上ほうに、帯状にシールが張り付けられていた。でも、車掌さんは、どんな風に答えたのか、それは、ちょっと...すぐ降りるから我慢して欲しいと、言っていたようで、全く喋っていけない訳ではないから、さすがに個人には注意しにくいようだ。
 出発後、ニュルンベルクまではすいていたが、バンベルクあたりからどんどん人が増え、エアフルトでは予約席は満席、降りると次の予約が表示され、交代で乗り込んでくる。DB名物の遅れも無く、無事到着して、本当に良かった。
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 昼前にベルリンに着いた。以前のフランクフルト経由より断然早い。中央駅から、友人のアルゼンチン人のアパートへ直行した。10年以上前語学学校で知り合い、親しくしており、ベルリンで宿を提供して貰っている。母国語のスペイン語のほか、数ヶ国語がペラペラである。
 早速昼食にアルゼンチン料理店に連れて行って貰った。
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バイエルン国立歌劇場ーペトレンコ指揮ラインの黄金 [オペラ(海外)]

 席は最前列の右から6番目、バイロイトでは全く見えないペトレンコの指揮が良くみえた。舞台は、タンホイザーに似たような、と安易に言ってはいけないのかもしれないが、大勢の人の肉体で、ラインの川の流れを表現し、黄金も人体だった。
 この席だと 音の聞こえ方は、ちょっと拡散してしまう感じがする。当然ながら、左側の音は遠い。力強い音のうねりを出す演奏ではないので、ピットの中で音が溶け合う感じより、ペトレンコらしい、分離した音がはっきり聞き分けられる、クリアな演奏だった。まだ、ラインゴルトなので、ペトレンコが全開モードだったのは、ヴァルハラに上がったところと、最後の部分と2回だけだったように思う。やはり、チクルスで聴きたいものだ。
 会場は満員、休憩が無いので、見かけた日本人は一人だけだった。今夏のリングチクルスはバイロイトと引っ掛けて狙っている人も多いが、大変な競争になりそうだ。
 冬ののミュンヘンへ来たのは何年ぶりかだが、この日は寒くはなく、手袋無しでも大丈夫で、東京の方が寒いくらいだ。
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フラウエン教会はずっと修復中で、外装がシートで覆われていたが、やっと終了したようだ。
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ミュンヘンへ [ドイツ]

 昨年のブリュッセル行きと同じく、成田からアブダビ経由のエディハド航空でミュンヘンに来た。
 今回は、航空券をエディハドのHPで買い、座席も予約した。すると出発数日前に、アップグレードしませんか、お安くなってますよと、メールが来て、応じずにいると、次に隣が空いている席に移りませんか、1席7500円くらいだっただろうか、横3席もご用意できますと。実際搭乗してみると、隣の2席とも空いていた。どこかへ移ったのだろうか。また空いている席を探して、後方から、何人も移動してきた。アブダビからミュンヘンの便は、ビジネスクラスの人が沢山おり、優先搭乗させるので、待っていたら、搭乗口に殆ど人がいなくなった。もう、ビジネスの人いませんか?というコールが、エコノミーの人もどうぞという意味だったのだろか。
CAさんは、この前のフライトに比べキッチリしており、制服も着て、皆さん綺麗な方だった。
 エディハドは、基本お酒は供さないようで、お客さんはとても静かだ。映画も音楽も興味の対象外のものしか無いので、ひたすら眠り、初め12時間、乗り継いで8時間、毛布もクッションも質が良いので、毛布を肩にかけて降り、パスポートコントロールに並んでいる女性を、意外と沢山見た。
アブダビでの手荷物検査はとても簡単だった。機内でおしぼりは無く、飲み物サービスは少ないが、総合的には、お値段以上だと思う。離着陸は、LHよりずっと静かで、気圧の変化で耳が痛くならなかったのは、初めてだ。前回より、印象が良くなった。
成田空港
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アブダビ空港
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 ミュンヘン空港に早朝着き、Sバーンで友人宅に直行した。今回本人は仕事でおらず、下の階の親切なおばあさんから、友人宅の鍵を受け取り、荷物を置いてからボックスオフィスに向かった。ヴァルキューレのチケットを引き取ってから、ひょっとして、今日のラインゴルトは無いかと尋ねると、そうだ!今日はラインゴルトだ、と調べてくれたら、何と一枚、支払われずに流れたのか、戻ってきたのか、チケットがあり、即購入した。
 今回、ペトレンコ・リングの前半を聴く予定が、ラインゴルトは結局チケットが入手できず、寒空にズーへする覚悟で来たが、運良く1列目の席をゲットできた。
 次にやることはsimfreeのiphoneを使えるようにすることで、マリーエンプラッツ・市庁舎正面にあるドイツテレコムの店に行った。カードにチャージする店と、技術者の居る店が違うので、2店舗を二往復して、2時間かかって、使えるようになった。まあ、チケットにかける労力が不用となったので、良いことにする。
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岡本侑也(チェロ) 変容する音魂 トッパンホール ランチタイム コンサート Vol.92 [コンサート]

 色々なホールや公共スペースでランチタイムコンサートが頻繁に行われるようになって、もう随分たつが、初めて自分も、30分のランチコンサートを聞くチャンスに恵まれた。場所はトッパンホール。昼間あの辺りを歩く機会もなく、江戸川橋からの距離が夜より短く感じられ、快晴の中、首都高を走るトラックの影が、頭上を通り過ぎるのは、奇妙な感覚だった。
 前半2曲を渋く演奏した後、一度舞台袖にもどり、最後は華やかな、ポッパー。BUNRAKUと、ポッパーは何度か岡本さんの演奏を聴いているが、この日の印象は、これまでになく大人っぽく、もう青年でなく、成年なんだと印象づけられた。ポッパーは特に、エンターテイナーとしての魅力も披露してくれて、音楽は変化しつつも、頂点までの一筋の道が途切れていないのが凄かった。よく、聴衆を驚かせる効果を狙うことがあるが、今回は、ちょっと違い、余裕を見せて聴衆を惹き付け、一瞬別の世界に連れだし、またすぐこの場に連れ帰ってくれるような、ジェットコースターのうねりの中に身を任せる感じが新鮮で、感心した。ピアノも、普段聞き慣れているこの曲の伴奏と違う印象で、かなり目だって、ピアノにも花を持たせるところが、心憎い 。大人っぽさは、ピアニストの色っぽい音楽に、応えたのかもしれないなと、楽しく想像しながらの30分、3曲とも趣が違い、充実した演奏会だった。
 残念ながら、1月のオペラシティのリサイタルB→Cを聞きに行けないので、きっと、こんな大人の雰囲気の演奏会になるのだろうなと思いをめぐらしている。

岡本侑也(チェロ) / 大須賀恵里(ピアノ)

ルトスワフスキ:グラーヴェ―チェロとピアノのための(1981)
黛 敏郎:BUNRAKU(1960)
ポッパー:ハンガリー狂詩曲 Op.68(1894)
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新国立劇場ーばらの騎士 [オペラ(国内)]

 新国立劇場のばらの騎士は、2007年プレミエ以来、4回目の公演。シルマーが登場し、レパートリー公演として、ようやく安定してきたように感じた。楽日に来られないため、二日目の公演を聞いたが、期待を越えて、立派に完成されていたのは嬉しい。
 特別、登場人物が個性を発揮する演出ではなく、優等生的歌と演技の舞台だったが、歌が入る場面は本当に良くでき上がっており、3幕の重唱もとても美しかった。
 改めて気づいたことはメルベートさんの声が、とても華やかだったことだ。元帥婦人役はしっとりした、憂いを秘めた声が好まれるのかと思っていたので、歌い出しを聞いて、はっとした。本来は決して中年ではなく、高貴な若妻役であるので、これもまた良しということだ。ゾフィー役ゴルダ・シュルツさんは、骨のある現代的女性像を演じ、歌も完璧で素晴らしかった。オクタヴィアン役アタナソフは、勿論声も姿も美しい。
 これから楽日に向けて、歌手がもっと舞台に慣れて、演技に自由度が増すだろう期待できる。同じ台詞でも、言い方ひとつで場面の雰囲気や作品の印象が変わるので、最後には、今年の登場人物のキャラクターで舞台を締めてもらいたい。前奏やオケだけの部分は、とても難しく、ドイツでも超一流のオケでないと、手放しで美しさに浸ることは無理だ。慣れているはずの東フィルさんに、もうひと頑張りを期待し、今年はさよなら。

【指 揮】ウルフ・シルマー
【元帥夫人】リカルダ・メルベート【オックス男爵】ユルゲン・リン【オクタヴィアン】ステファニー・アタナソフ【ファーニナル】クレメンス・ウンターライナー【ゾフィー】ゴルダ・シュルツ【マリアンネ】増田のり子【ヴァルツァッキ】内山信吾【アンニーナ】加納悦子【警部】長谷川 顯【元帥夫人の執事】升島唯博【ファーニナル家の執事】秋谷直之【公証人】晴 雅彦【料理屋の主人】加茂下 稔【テノール歌手】水口 聡【帽子屋】佐藤路子【動物商】青地英幸
【合唱指揮】三澤洋史【合 唱】新国立劇場合唱団【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
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新国立劇場ー椿姫 [オペラ(国内)]

 とても久しぶりのイタリアオペラだが、ラ・トラヴィアータはやはり名曲。万国共通、一番集客の良いオペラということで、客席はほぼ満員。でも友人とはひとりも会わなかった。やはりワーグナーとは客層が違うのか、それとも川崎のベルリンフィルに流れたか。同日同時刻、二期会こうもりや隣のオペラシティではバッハ・コレギウムのポッペア、N響定期もあったようだ。
 いつもの4階客席から見ると、ピットも人がまばらというかスカスカで、オケも弾きやすそう。音量のバランス、歌手やコアがちゃんと聞こえるかでハラハラしたジークフリートや黄昏と違って、ベルディは歌手中心、オケは伴奏に徹しているので、余計な心配なく安心して聴ける。
 新国立劇場の演出も2015年からか、新演出に変わっていた。シンプルな舞台装置だが、下手から上手に斜めに配した舞台のうち、下手側の壁に当たる鏡が綺麗で舞踏会の場面で映える。
 2幕ヴィオレッタの屋敷が全く家具も何も無い空間で、何故か天井に100円透明傘とデコイ(?)が吊ってある。3幕では病床のヴィオレッタとその他関係者は紗幕で仕切られて演技をして、既にあちらの人であることを表している。最期ヴィオレッタが力を絞って立ち上がり、幕が下りても上手側に突き出た舞台の端まで来るところが大変効果的だった。ヴィオレッタ役が体型も良く、美人で良い雰囲気だった。(G)

【ヴィオレッタ】イリーナ・ルング
【アルフレード】アントニオ・ポーリ
【ジェルモン】ジョヴァンニ・メオーニ
【フローラ】小林由佳
【ガストン子爵】小原啓楼
【ドゥフォール男爵】須藤慎吾
【ドビニー侯爵】北川辰彦
【医師グランヴィル】鹿野由之
【アンニーナ】森山京子
【ジュゼッペ】大木太郎
【使者】佐藤勝司
【フローラの召使い】山下友輔
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
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文化の日ー東京巡り [その他]

 快晴の文化の日午前中、神楽坂を散策、まずJR飯田橋駅が変わりつつあるのに驚いた。名物ホームに続くだらだら斜面が失くなっていた。まだ工事中だが、最終的にどうなるのだろうか。
 昼食を摂ってから通りに出ると、消防署のブラスバンドが行進中だった。さすが上手で、爽やかな気分になった。
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 飯田橋から南北線で溜池山王まで移動。骨髄バンクを支援する東京の会の、25年続いているチャリティーコンサートで、ピアノトリオを聞いた。ザルツブルクのモーツァルテウムの放射性物質を含んだ建材が原因で、先生方が癌を発症したという話は聞いたことがあったが、まさにその当時、仲間を失った方がコンサートを続けているのだ。ドナーの善意を受けた患者さん、ドナーとして骨髄を提供した方のシンポジウムもあり、生の体験談を聞き感動した。個人的に私も30年前、友人を白血病で亡くしている。突然発症する白血病も、型の合うドナーが見つかれば、新しい血液をつくることができる。素晴らしいことだ。
 会場は昭和の香りのする古い会議場のようなところで、演奏者には少し気の毒だった。
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 恒例、弦楽器フェア、行くと必ず友達に会える。今年は、友人のコントラバス演奏を聴くつもりが、間に合わなかった。初めてみたチェロの弦、セットで6千円と、とても安いので、購入してみた。ドイツ・ミュンヘン製で、主にマンドリンやギターの弦を作っている会社だそうだ。
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 ドイツフェスティバル2017、初めて行ったが、広々した青山公園で、お天気もよく、弦楽器フェアから流れてきた友人に出会い、気づけば、9時を回っていた。
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MAROワールド Vol.32 王子ホール25周年(二日目) [コンサート]

 昨日に引き続き王子ホールへ。前半は、1日目と同じチャイコフスキーの弦セレ。初日は宮田さんがチェロトップだったが、今日は桑田さん。昨日気づいたのだが、N響では目立たないが、ここではソリステックに、身をよじらせ、熱演している。今日の席は、演奏者の顔が、結構見える。
 昨日清水和音さんが仰ったのだが、王子ホールは、ピアノの状態がいつもとても良いそうだ。ピアノが悪くなるのは、ほとんど調律が原因で、調律師がピアニストの希望に応じるからだそうだ。やり過ぎると、ピアノが元の状態に戻らなくなると、話して下さった。
 今日はついに、まろさんが、無茶振りの対象となった。初めてらしい。昨日の仕返しに、崎谷さんが、英雄の生涯の楽譜を持ってきた。とはいえ、手心を加え、要望箇所について、"ここは嫌だ"と拒否されると、最後の部分に落ち着いた。途中からカルテットの伴奏が入り、まろさんは、周到な準備に、二度びっくりされた。
 岡本さんは、思った通り、"この前歌ったんだって"と先週シティーフィルのロココのアンコール、ジョバンニ・ソッリマ"ラメンタチオ"の抜粋を披露。先週も思ったが、和音が本当に正確で美しく、まるでギターの音のように、鮮明に聞こえる。アクロバットテクニックに、またも大絶賛、良い雰囲気だった。
 アンコールのハッピーバースデー変奏曲も、とても面白かった。様々な名曲アレンジで、テーマが演奏され、ドボルザークのアメリカ風は、Vlaの熱演に、涙が出るほど笑ってしまった。また、低弦がトレモロしているところに、即興でVnのカデンツァが入るところでは、まろさんが奏者を弓で指名する。小林さん、崎谷さん、大江さんが、順に指名され、きっちり英雄の生涯の仕返しをされた。三人三様の反応に、心の内が垣間見えた。
 22時終演、帰り道、プログラムの冒頭挨拶を見ると、25周年記念の大パーティーと書いてあり、なるほど、あれはパーティーの余興の楽しさだった。本気で、楽しんでいるメンバーを見て、2日間で、急にメンバーの方々と知り合いになったような気がした。

篠崎“まろ”史紀(ヴァイオリン)
<MAROカンパニー>
大江 馨、小林壱成、崎谷直人、白井 篤、伝正秀、戸澤哲夫、水谷 晃、長原幸太(ヴァイオリン)
鈴木康浩、佐々木 亮、中村翔太郎(ヴィオラ)
岡本侑也、桑田 歩、宮田 大(チェロ)
西山真二(コントラバス)
清水和音(ピアノ)

王子ホール 25周年ハッピーバースデイ・コンサート
MAROワールド Vol.32 by 篠崎“まろ”史紀&MAROカンパニー
【第2部】
J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 より 第1楽章(小林、大江、清水)
シューベルト:弦楽三重奏曲 第1番 変ロ長調 D471 (戸澤、中村、宮田)
クライスラー:美しきロスマリン Op.55-4(崎谷、清水)
クライスラー:愛の悲しみ(白井、清水)
クライスラー:愛の喜び(長原、清水)
クライスラー:弦楽四重奏曲 イ短調より 第1楽章 (MARO、水谷、佐々木、桑田)
ドホナーニ:ピアノ五重奏曲 第1番 より 第1楽章 (長原、伝田、鈴木、宮田、清水)
ブラームス:「5つの歌」より Op.105-1 『旋律のように』 (岡本、清水)
ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34 より 第1楽章 (MARO、小林、佐々木、岡本、清水)
【アンコール】
ハイドリッヒ:ハッピー・バースデー変奏曲
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MAROワールド Vol.32 王子ホール 25周年ハッピーバースデイ・コンサート [コンサート]

 Maroワールドは王子ホールの人気シリーズなので、会員だけでチケットが完売になってしまうことが多い。しかし今回は、王子ホール25周年のお祝いイヴェントとして二晩にわたり催され、しかも通常よりさらに高価なチケットであるためか、両日残席あり、プログラム未定のまま、2日買い、連れ合いと1日ずつ行くことにした。特別にシャンパン等のウェルカムドリンクと、休憩時恒例のヨックモックの小さなケーキが供された。
 チャイコフスキーの弦セレは、さすが、マロさんに皆の神経が集まり、各々が存分に楽器を鳴らしつつ、素晴らしいアンサンブルだった。ヴィオラ奏者の背中で深みのある音が轟いていた。
 後半のプログラムは事前に発表されず、作曲家の年代順に、過去のコンサートと縁がある曲が、演奏されたようだ。まろさんが奏者を紹介し、インタヴューしながら進められた。このマロワールド名物で、突然マロさんが奏者にリクエストして演奏させる”無茶振り”企画があり、メンバーの人柄や生の声が聞けておもしろい。特に若者Vn弾きは、マロさんに逆らえない。勿論ある程度覚悟して出演するのだが、一人目の標的は神奈フィルコンマスの崎谷さん、”この前、英雄の生涯やったんだって?”と譜面台にソロパートの譜面が置かれており、弾くべき箇所が赤で囲ってあった。マロさんが読響コンマス長原さんに指令し楽譜を持って来てもらったとのこと。皆に最近やった演奏や最近や、近々やるという"宣伝"もさせ、"無伴奏弾くの?じゃあ、バッハ弾いてみようか”と。普段は演奏を聴くだけだが、近況や、王子ホールの印象など聞きながら、皆さんと一緒に笑うと、音楽も二倍楽しい。
 アンコールのホルベルク、パワー全開で最高だった。途中、コンマスを交代し、若者に1Vnソロを弾かせたり、いつ何時、不意討ちがあるか、油断できない。なるほど、エンターテインメントだった。終演は22時。
 宮田さんの全身全霊で歌うように弾く姿に感動。"もう一歩前へ出なさいよ、今旬だよね"と言われ、照れる岡本さんは、純粋すぎて、過度なイタズラはできないだろう。凛々しく歌う旋律が美しい。
篠崎“まろ”史紀(ヴァイオリン)
<MAROカンパニー>
大江 馨、小林壱成、崎谷直人、白井 篤、伝正秀、戸澤哲夫、水谷 晃、長原幸太(ヴァイオリン)
鈴木康浩、佐々木 亮、中村翔太郎(ヴィオラ)
岡本侑也、桑田 歩、宮田 大(チェロ)
西山真二(コントラバス)
清水和音(ピアノ)

10/24(火)プログラム
王子ホール 25周年ハッピーバースデイ・コンサート
MAROワールド Vol.32 by 篠崎“まろ”史紀&MAROカンパニー
第1部   チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調Op.48 (全員)
第 2 部
ヘンデル/ハルヴォルセン:ヘンデルの主題によるパッサカリア (小林・岡本)
ハイドン:ピアノ三重奏曲 第39番ト長調 より 第3楽章(大江、宮田、清水)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第28番 ホ短調 K304 より 第2楽章(MARO、清水)
ベートーヴェン:弦楽三重奏のためのセレナーデ ニ長調 Op.8 より 第4楽章 アレグロ・ア・ラ・ポラッカ(崎谷、鈴木、桑田)
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲 ハ長調 WoO36-3 より 第3楽章(長原、中村、岡本、清水)
ドヴォルザーク/ヴィルヘルミ:ユーモレスク(伝田、清水)
ドヴォルザーク:弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 Op.77 B49 より 第2楽章(水谷、白井、佐々木、岡本、西山)
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.49 より 第1楽章(戸澤、宮田、清水)
メンデルスゾーン:チェロとピアノのための無言歌 ニ長調 Op.109(桑田、清水)
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44 より 第1楽章(MARO、大江、鈴木、桑田、清水)
【アンコール】
グリーグ:「ホルベルク組曲」 より 前奏曲

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岡本さんのロココ(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団定期) [コンサート]

 シティーフィルのオペラシティでの定期演奏会で、岡本さんが、ロココを協演した。開演前のロビーコンサートに集まったお客さんは良い雰囲気だった。先日の読響の若者三大コンチェルトと比較すれば、客席には余裕があったけれど、定期会員の方が多いのか、客席はゆったりとした時間を楽しんでいるように感じられた。私たちにとっても、普段オケトレーナーでお世話になっているコンマス・戸澤先生始め、身近に感じる方が何人か舞台にいらっしゃるので、見ていても楽しい。
 岡本さんのロココを聴くのは、5年ぶりだ。エリザベートコンクールを経て、純粋で心打たれる少年らしさと決別し、繊細さはそのまま、大胆さが加味された歌心満載の演奏を楽しませてもらった。中間部のカデンツァの後、エネルギーがはちきれんばかりに、岡本さんらしい、堂々としたアクロバットテクニックを聴かせてくれて、感動。この曲はともすると、歌心よりテクニックのお披露目みたいになってしまいがちだが、目を閉じて音だけ聴いて、こんなんに心に羽が生えたように軽やかに、優雅さを感じるところが、まさに岡本さんの音楽だと思う。
 アンコールのジョヴァンニ・ソッリマのLamentatio (嘆き?)は、始めと終わりに声が入る。歌いながら弾くのは、余興でもない限り、珍しいと思う。意表をつかれ、岡本さんの声が聞けて、会場もオケのメンバーも興奮気味だった。ハートが溢れた演奏は、音程もテクニックも完璧、余韻の残るアンコールに、拍手喝采。この曲は、当分の間、リクエストがあるだろう。私もまた聴きたい。
 チャイ4は、楽章の切れ目がなく演奏され、一気に駆け抜けるエネルギーに、自分らが若い頃から、何度となく参加してきた、アマオケのチャイ4の練習場面が懐かしいく思い出された。楽しい定期演奏会だった。

指揮:飯森範親
チェロ:岡本 侑也

チャイコフスキー:イタリア奇想曲 作品45
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 イ長調 作品33
チャイコフスキー:交響曲第4番 へ短調 作品36
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新国立劇場ー神々の黄昏③ [オペラ(国内)]

 黄昏の楽日、思った通り、ラングはもはや躊躇なく、一幕から全開で、素晴らしかった。バイロイトのような感動を味わえて、感謝。
 オケも全体的に慣れてきて、音量バランスも大分良くなった。もっとも、こちらの耳がこのプロダクションに、適応してきた面もあり、苦痛でなければ、今、この場の大音量を受け入れるのが、幸せとというものだ。楽日は最後なので、出演者はかなり自由にやると聞いたことがあるが、むしろ後半に来て統一感が出てきたのではないか。
 平日午後の最終日だったが、思いきって行って良かった。連れ合いは2幕からとなったが。
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エベーヌ弦楽四重奏団 [コンサート]

 エベーヌ弦楽四重奏団 、日本公演最終日の演奏を、武蔵小金井の宮地楽器ホールまで聴きに行った。かなり評判のカルテットで、ダメ元で前日電話してみたら、4列目中央の絶好の席が空いていた。ホールもエベーヌも初めてで、大ホール客席は500~600の間位、ステージが広く、フルオケが乗れそうな、雰囲気の良いホールだった。
 話題のクァルテット、まず最弱音から始まったモーツァルトに驚いた。フランス人とはいえ、古典的演奏ではなく、滑らかにボリュームを上げ下げするような、新しい表現なんだなぁと、耳を傾けた。ベートーヴェンは、激しくとも、4つの楽器の音色が融合し、まとまって変化するといった感じの音だった。後半は、チェロ奏者が、英語で曲の解説しながら進行した。ラテン系の明るさと、アメリカっぽいリズム感が心地よく、作品もジャズのジャンルも良く知らないが、世界のビートを体験した気分だ。後半を聴けば、このモーツァルトも同一線上の音楽だと感じられてしまうところが、凄い。
 とても上手なのに、地味で控え目、一人が突出せず、4人で寄り添い、調和を保ち、一つの楽器となることを理想としてきたのだろうか。これからどんな風に年を重ねていくか気になる。
 終演後、ゆらゆらした波のような余韻が体に残った。私にとっては、知らない世界の音楽体験であり、何か語ることができない。編曲も、メンバーがやっているのだろうか。これから、色々情報収集だ。

モーツァルト:弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 K.421
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 Op.95「セリオーソ」
後半は、Jazz アンコールにピアソラのりベルタンゴ

ピエール・コロンベ(ヴァイオリン)Pierre Colombet , violin
ガブリエル・ル・マガデュール(ヴァイオリン)Gabriel Le Magadure , violin
アドリアン・ボワソー(ヴィオラ)Adrien Boisseau, viola【手の故障で来日中止】
ラファエル・メルラン(チェロ)Raphael Merlin , cello
マリー・シレム(ヴィオラ)Marie Chilemme , viola【ボワソーに代り出演】
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新国立劇場ー神々の黄昏② [オペラ(国内)]

 1週間後、10/14の黄昏を聞いた。オケの音が集約されてきて、正統な音量に近くなり、たまに、行きすぎるところを除けば、音楽に身を任せても良いかなという気分になる。10/11の公演も、かなり評判がよかったようだ。そうなると、ニュープロダクションの公演前半は、チケット代を安くしたらどうかと思う。ヨーロッパではプレミエの日だけ、値段が高いことも普通で、未完成でも、ニュース性に価値があるのだ。でも、オペラ後進国の日本では、謙虚に、まだ完成に程遠いのでという良心を示しても良いのではないだろうか。ハラハラしながら、全公演聞いている人たちが気の毒に感じる。
 この日はラングが調子を取り戻していた。前回は絶叫が目だってしまったが、この日は、バイロイトのイゾルデのような、滑らかで強靭な声に戻り、3幕では輝かしいブリュンヒルデになりきっていた。2幕のハーゲンと男声合唱も、少し前へ出たのか、聞きやすくなり、良くなった。ただし、声質は依然として、美しく透明過すぎる印象。ラインの乙女たちは、グールドの大声量に伍して、美しいハーモニーを聞かせてくれた。本公演では、日本人歌手の活躍も見事で、ゲストとの落差は感じない。
 この日、バックステージツアーに当選した人から聞いた話では、3幕でラインの乙女がジークフリートに手渡す三角形の板は、未来を映す鏡、度々出てくるレンズは、後ろに立つと人が歪んで見えるが、心も歪むという意味。最後炎がジークフリートを包む場面では、奥に人形を横たえてあると。4階席からは見えないが、逆に見えてはいけないものが、見えてしまうことがある。ト書きでは、最後ブリュンヒルデはグラーネに股がり、燃え盛る薪の山に飛び込むことになっているが、この舞台では、群衆に紛れて、白い布を被り動かなる。そして幕切れに白い布を広げ起き上がり「救世主」となるらしい。1階席では、布を被るところは視界に入らないので、甦る姿に驚くことになるが、上階からは全て見えているので、解説を読むまで、最後の意味が分からなかった。
指揮:飯守泰次郎
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲンアルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
ヴォークリンデ:増田のり子
ヴェルグンデ加納悦子
フロスヒルデ:田村由貴絵
第一のノルン:竹本節子
第二のノルン:池田香織
第三のノルン:橋爪ゆか
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団IMG_3288.JPG
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新国立劇場ー神々の黄昏 [オペラ(国内)]

 10/7の公演を聴いた。まず言えるのは、マイヤーが素晴らしかった。
 席は四階一列目中央右寄り。聞こえてくる音は大分予想と違っていた。この席での印象だが、どの幕も初めの音を発する瞬間がぴったり合っていないように聞こえる。冒頭では意図的なのだろうが、木管の音が突出していて、待ち構えていた響きとは違っていた。全体にオケの音量が大き過ぎて聞こえるのは、飯守マエストロ新国立のリングの特徴で、金管、打楽器は音色、音質より音量が重視されているのだろうか。
 ペトレンコがスコアを分析して予想外のハーモニーを聞かせてくれるのとは別の意味で、予期しない音に驚く場面に何度も出会った。一階席で聴いたこともないくせに、4階席のオケの大音量を嘆くのは間違った感想かもしれないが、全ての指揮者で思うことではないので、やはりこれは、好みの差はあっても飯守先生の音なのだろう。3幕ジークフリートの死以降、初めてオケの音量が、相対的にppp位まで落ち、幕切れまで、ものすごいクレッシェンドが持続されて、昔だったら、私も大喜びしただろう、巨大な音楽だった。
 一幕でラングが声をセーヴしていたのが、ちょっと残念。イゾルデ役ではさほど感じなかったが、ブリュンヒルデではもう少し声の幅が必要なのか、激しさみなぎる絶叫場面の方が本領発揮してるようだった。グールドも声量が落ちないことは、バイロイトのトリスタンで証明済みだが、この二人と飯守先生の大音量オケの取合せは、自分の経験内では、珍しいタイプの公演だった。
 マイヤーのヴァルトラウテの場面では、独立したマイヤーの世界が広がり、やはり別格、飛び抜けて素晴らしかった。歌詞も4階まではっきり聞こえ、この場に居あわせて、幸せだと痛感した。ラングはマイヤーに伍してというより、演出上も、マイヤーに花を持たせたのか、控え目な印象だった。
 舞台演出が奥深いせいもあるが、2幕のハーゲンの号令も男声合唱も声が遠く、迫力が出なかった。合唱の人数は相当いたようだし、バンダのスティアホルンは素晴らしかったが、弦楽器は聞こえず、バランスが難しい。ここはもっと前方で、歌ってもらいたいものだ。と言うより、オケの音量が大き過ぎる。
ジークフリートのホルンは、なめらかで、勢いがあって、素晴らしかった。
 この日、本公演3回目の方々にも会い、だんだん良くなっているとのこと。一週間後には、どんな変化があるだろうか。

指揮:飯守泰次郎
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲンアルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
ヴォークリンデ:増田のり子
ヴェルグンデ加納悦子
フロスヒルデ:田村由貴絵
第一のノルン:竹本節子
第二のノルン:池田香織
第三のノルン:橋爪ゆか
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団

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バイエルン国立管弦楽団ーヴァルキューレ1幕  NHKホール [オペラ(国内)]

 タンホイザーの公演を終え、最後にペトレンコはヴァルキューレ1幕を演奏会形式で披露してくれた。オケピットでなく、舞台上のペトレンコのワーグナーではあるが、NHKホールの観客3000人で共有できたことはとても嬉しい。初めてペトレンコを聴いた複数の人から感想が届いたが、皆、感動を言葉にせずにはいられないというという驚きと満足感に溢れていた。2004年ベルリン・コミシェ・オパーのインテンダンド時代、初めてペトレンコのモーツアルトを聴き、現地の人を捕まえて、興奮して感想を聞いてもらった自分を思い出す。私よりもっと前からペトレンコを良いと思っていた方々も、今の私のように、ようこそ日本へ、ありがとう!という気持ちだろう。ペトレンコの振るベルリン・フィルを生で聴いてみたいという願いが叶う日もそう遠くない。
 ペトレンコの創造する音楽の時空に身を置くと、構えていても、やはり驚嘆する。瞬間刻みとでも言おうか、どんどん形や色彩が変化しながら、美しく調和した異次元の世界を行くような感覚に捕らわれ、自分としては、もうマエストロに対して、完璧なコントロールされた音などと批評がましい言葉は、おこがましくて使えない。真の芸術家だと思う。作曲家でなく、指揮者が芸術家と言われるのはあまり聞いたことがないが、スコアの縦線の、刻々と変化する音のイメージを実現させるなら、ベルリンフィルが最適だろうことは想像できる。
 今回一幕のみということで、比較的落ち着いた演奏だったように感じた。全曲演奏では、一幕はまだ序奏であるかのように、遥か遠く、視野に入らない獲物を追うような気持ちにさせられ、二幕への期待へと続く。

指揮:キリル・ペトレンコ
管弦楽:バイエルン国立管弦楽団
バリトン:マティアス・ゲルネ*
ジークムント:クラウス・フロリアン・フォークト
ジークリンデ:エレーナ・パンクラトヴァ
フンディング:ゲオルク・ツェッペンフェルト

【プログラム】
マーラー:「こどもの不思議な角笛」より*
 ラインの伝説
 きれいなラッパの鳴るところ
 地上の暮らし
 原光
 むだな骨折り
 死んだ鼓手
 少年鼓手

ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕 演奏会形式(ドイツ語上演)

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日本ワーグナー協会 バイロイト報告 マイスタージンガー [その他]

 ワーグナー協会のバイロイト報告会、今年は、既にNHKBSで放映された、新演出のニュルンベルクのマイスタージンガーについて、説明された。
 演出家バリー・コスキーは、オーストラリア生まれの50歳、祖父母の代に移民してきたユダヤ人。ヴァーグナーの反ユダヤ思想が顕著に現れているマイスタージンガーの演出をカタリーナから依頼され、半年考えさせて欲しいと言ったそうだ。コスキーは、ミュージカルとオペラを区別していないとのこと。(私個人的にも第一印象は、ミュージカルのようだということだった。)
 前奏曲と同時に舞台が始まり、場面はヴァン・フリート、そこにリスト→ポークナー、コジマ→エーファ、ヴァーグナー→ハンス・ザックス、ヘルマン・レヴィ→ベックメッサーが登場する。そして、劇中の→の人物になる。ベックメッサーは、初めから、差別的に扱われる。
 一幕終わりで、証言台や、連合軍4カ国の国旗が舞台に登場し、ニュルンベルク裁判の法廷への伏線が見られる。二幕の舞台は法廷の壁に囲まれた芝生、最初寝転んでいるのは、ヴァーグナーとコジマであり、すぐにザックスとエーファに移っていく。最後乱闘の場面で、ベックメッサーはやっつけられ、ユダヤ人を誇張したワシ鼻の模写絵のような面を被され、隣で膨らむ、面と同じ顔の風船の頭にユダヤの星が大きく描かれ、観客に見せつける。夜警は姿を現わさないが、直後に、アメリカのMP(憲兵)の白いヘルメット姿の黙役が立つ。
 3幕はニュルンベルク裁判の法廷のセット、その中で、作品の筋書き通りの劇が演じられる。5場(NHKでは2場)ではコアが大活躍し、舞台を駆け回る。最後までベックメッサーは差別され、ひどい歌を歌い、摘み出された後、二度と舞台に戻らず、追放されたという扱いだ。ザックスの大演説の後、舞台上にオケ(の演技)が残り、後ろへ下がってフェードアウトする。ザックスの芸術についての訴えの後、音楽が残り、その判断は、聴衆に委ねる、と解釈できるかもしれない。
 ベックメッサーは、どんなプロダクションでも、大概一番人気となるものだ。コスキーはヴァーグナーに批判的であったはずだが、結果として演劇的に面白すぎるベックメッサーを描いてしまった。
 全幕とも始まりに、字幕が出て、1幕は、場面説明、2幕はコジマの日記からだが、3幕のシュレーゲ・ナハトムジークというのが、シュレーゲ・ムジークという、双発の戦闘機で、英国軍機を斜め下から攻撃する作戦のことを言っているようだが、劇中の場面とは関係なさそうだ。また、時計がぐるぐる反対回りすることなど、まだあちこちに、疑問点は残る。
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読響サマーフェスティバル2017《三大協奏曲》ー岡本侑也 [コンサート]

 オペラシティでコンチェルト3曲プロ、18:30開演だが、会場はお客さんで一杯だった。
 6月のエリザベートコンクール以降、岡本侑也さんがドヴォコンを弾いたのかどうか知らないが、あのときより冷静で、1楽章は前のように繊細に歌わず、3楽章を頂点に音楽が構成されていたような印象だった。始まってすぐ、もう、ドヴォコンは、特別ではなく、コンサートのレパートリーなんだなあと感じた。
 聴衆は、その日の演奏が、唯一の体験、奏者を知るよすがだ。
 印象としてだが、 ボムソリさんと、岡本さんは、テクニカルな面では完璧だったが、何か表現の部分で実は語り尽くせない部分が残ったのではないか気がかりだ。一方、ピアニストのハリトーノフさんは、我が道を突っ走り、ものすごいテンポで弾きまくった。座席が前の方で、視覚を重視したため、ホールにどんな音が響いていたのかわからないが、近くでは、ピアノの音はキレイという感じではなく、若さと迫力が、前面に出ていた。
 若い人の演奏が変わっていくのは当然で、岡本さんの演奏は、コンクールの時より、大人っぽくなったように感じた。これは、コンクール直後に、東京で宮田大さんのショスタコ1番を聴いた時の、老成しているという印象と共通するところがあった。次は、10月シティフィルとのロココの共演。場所も同じオペラシティ、楽しみだ。

指揮=海老原 光
ヴァイオリン=キム・ボムソリ
チェロ=岡本 侑也
ピアノ=ダニール・ハリトーノフ

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23
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「わ」の会 北とぴあ [コンサート]

 帰国してまだ、時差ボケからもどらないうちに、日本人歌手の黄昏のコンサートを聴いた。聴衆は、池田香織さんを応援する気持ちで来る人が圧倒的に多いのではないだろうか。昨年池田さんは二期会でイゾルデを歌いきった。この日は、黄昏のブリュンヒルデ。自己犠牲は、堂々として素晴らしかった。2013年ワーグナー生誕200年の記念演奏で聴いたときから比べても、一まわりも二まわりも、ワーグナー歌手として充実してきて、魅力が倍増した。どんな分野でも、身近で敬愛する人材が、活躍の舞台に躍り出る姿を見られることは幸せだ。
 バイロイトでいっしょだった仲間たちにまた会えて、何だか、まだ、バイロイトが続いているような楽しい晩となった。
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北とぴあ1階のキリンシティにて
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バイロイト音楽祭2017マイスタージンガー(8/19) [オペラ(海外)]

 ついにバイロイト最後の演目となった。早朝から並び、一番に当日券をゲットした。席はパルケットの少し後方だがほぼ真ん中、当日券は本当に良い席が出る。但し、出るとすればのこと、前回のマイスタージンガーは1枚も出なかったそうだ。今回予め一枚は持っていたので、今年のチケット争奪戦も幸い成功裏に終わった。
 もう一つの席は、来られなくなった方から譲り受けた、プラチナチケットで初めてバイロイトで一列目に座った。両サイドはどんな人か気になるが、どちらも英語を喋っており、左側はご夫妻、ご主人は一幕が始まるとすぐうつむいて、眠り始めた。私も時折睡魔が襲ってきたが、耐え忍んだ。右側の男性は若かったが、3幕でダウンしていた。つまり、一列目は、特別なお客様の席(ご招待)ということなのかもしれない。周りを恐れる必要無し。
 他の劇場も含め、Wagner で最前列に座ったのはとても久しぶりのこと、指揮者に視線を送る歌手と目が合うように感じる恥ずかしい瞬間も、たまには良いものだ。驚く程舞台の隅々まで見渡せ、コアの人たちの演技もとてもはっきり見え、3幕5場(NHK では2場)お祭り場面のストップモーションで男声だけ歌っている様子は見事だった。激しい動きの後の発声は本当に大変だと思うが、観客に全くそのことを感じさせないのは、さすがにプロだ。
 他にもTaffの講演で、舞台裏の話を聞いていたので、何度やっても失敗のない完成した舞台に敬服する。
 音楽の緻密さという点では、ペトレンコのマイスタジンガーとは比べられないが、緊張しない、楽しい舞台を鑑賞できるという点で、時々オケがばらばらに聞こえるJordanは、聴衆の気持ちを掴んでいると思う。
 歌手陣も、不調の人はおらず、Vogtは美しさが要求される役柄にはぴったりで、やはりどこか、人間離れした楽器のような声には魅了される。喉が締め付けられるように聞こえるときもあるが、それがVogtの歌い方なのだと受け入れたい。どんなに近くで見ても、登場人物全員が役者で、エンターテイナーで、しいていうなら、Eva役のSchwanewilmsだけが、声がよく聞こえず、少し役柄と雰囲気が合っていないようで、動きもしなやかさに欠けていた。Volleはサイン会ではとても人懐っこい感じだったが、ちょっと強面のハンスザックスは名演だと思う。内容の解釈については、学者先生にお任せすることにして、3回聴いて印象が変わらないのは、危なげのない完成された舞台だからだろうと満足した。
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出番前でも余裕のフォレ
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バイロイト音楽祭2017 トリスタンとイゾルデ(8/16) [オペラ(海外)]

 この日、客席がやかましく、出だしが聞こえなかった。チェロも3回目の跳躍で音を外したので、これではティーレマンもご機嫌が悪いかと思いきや、前回、メルベートがイゾルデを歌ったときとは、全く違う、ドラマティックな方向に音楽が進んでいった。ラングも面目躍如の演技だった。これが、今年の本物だったのかと納得。感情むき出しの演技と、うねりのあるティーレマンの音楽に、心かき乱され、この気分を逆撫でする暗い舞台から、美しい何かを発見したいという思いに駆られた。これが、本来の上演の方向であれば、演技が必用なのが分かる。前回はティーレマンも我慢して、美しくまとめたのだろうと想像した。初年度のヘルリティウスの絶叫が強く印象に残っているが、ラングはさほど気になる絶叫は無く、激しい情念に燃えるイゾルデを演じ切った。
 前回の舞台と比較すると、やはり、穏やかな美声よりラングの情念の方が説得力があり、このプロダクションには適任であると思った。毎年演出は少しずつ変化する。このプロダクションには、多くの人にとって共感しがたい人物像があり、ひょっとして、これから意外な方向へ演出が変化するなんてことも、あったりするのだろうか。
 ただ最後に驚いたのは、3幕まだ幕が降りきらないところで、フラブラ、ではなくフラ拍手があったことだ。Metならともかく、まさかバイロイトで、しかも棒を下ろすまで、拍手を許さないティーレマンの背後で ! マエストロがニコニコとカーテンコールに登場してくれて、ほっとした。邪推すれば、前回一回抑えざるを得なかった分、この日は、客席に関係なく、自分から燃焼したかったなんてことはないだろうか。2回聴けたからこそ、この日の感動は格別だった。
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Ebermannstadt、Streitbergビール巡り(2) [ビール]

 ForchheimからEbermannstadtまでは、DBの代替えバスだった。Ebermannstadtの少し先が工事中とのこと。着いてみると、小さいが水の豊かな町だった。町の入口の古い水車が歴史を語っている。
 宿はSchwanenbraeuという町で一番大きい、Hotel、Brauerei、Gasthofということだった。町外れに、息子さんの経営するBiergartenがあるので、川沿いにぶらぶら歩いていくと、17時開店を待つ、地元のおじさんがもう、勝手に店の座布団を持って行き、日差しに立ち向かうかように、ベンチに座っていた。ここは、窓口に自分で買いにいく伝統的システムだ。
 木の下に座って飲んでいると、バイクで周辺20kmツーリングしてきたご夫妻が同じテーブルにやってきた。チャイニーズかと聞かれ、日本人だというと、二人のバイクが、KawasakiとHondaとのこと。話の導入にもってこいだ。バイクで旅する人たちは概ね自由人で、日本にも興味あるものの、車で予約無くとも泊まって旅できるかと聞かれ、それは難しいと言うと、アメリカのネバタ州を車で旅したが、予約なくてもモーテル宿泊は問題なかったと。広さが違うし、日本は狭いからと言い訳した。興味あるのは中央アルプスと北海道、日本の自然を見たいそうだ。最後に奥さんが名乗ってきたので、私も連絡先を渡してた。旅先で話しかけてくる人は、日本に来たことがあるか、興味がある人たちだ。
 バイクでビアガーデン巡りをしていると見えて、虫がビアジョッキに入らないよう、蓋を持参していた。よくコースターで蓋するが、我々は、虫はあまり気にならない。
 ビアガーデンが、気持ちよく連れ合いはどれほど飲んだのか、宿に戻って、まだ日は暮れていながったが、朝までぐっすり、眠ってしまった。
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 翌日は、城壁を散策しながら、バイロイトに戻った。
EbermannstadtからPegniz行きのバスは、学校が休みの為、ワゴン車だった。大きなバスの後ろに到着し、まったく気づかなかたら、運転手さんが迎えに来てくれた。でものんびりしており、定刻になっても、運転手さん同士おしゃべりしていて、一向に発車せず、同乗者の女性が、約束があるから、バスを出してくれと言いにいった。
 私たちは、鍾乳洞のあるStreitbergで下車し、古い城塞に登ってから、Binghoehleという鍾乳洞を見た。大きさは前に行ったTeufelshoeleほどは大きくはないが、説明のお姉さんは純粋な石灰と氷だけなので鍾乳石が白いと自慢していた。見学は7ユーロ、写真撮る場合は1ユーロ支払う。今回ヘッドランプ持参で、よく写真が撮れた。
 次に道路反対側の城塞Neideckへ上り、素晴らしい景色を堪能した。頂上で買ってきたサンドイッチを食べようと思っていたが、麓のプール横に、またもやビアガーデンを発見、下山して、ビールにサンドイッチということになった。
 帰路のペグニッツ行きバスは、気づけば、このあたりの城塞街道を走るバスで、Goessweinstein、Pottensteinを眺めながら、以前行った時のことを思い出し、楽しいルートだった。

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Forchheim, Bierwald ビール巡り(1) [ビール]

 ニュルンベルク交通(VGN)の一日券(19,1EURO)を使って、軽いBier-wanderung をした。
 朝食抜きで、朝8時バイロイト中央駅発の電車に乗ったが、途中電車が遅れ、乗り替えるはずの電車が行ってしまい動揺したが、今年はiPhon をSIMフリーにして、現地でT-comを入れてあり、VGNアプリも使っているので、すぐに立ち直った。
 Bamberg で乗り換え、Forchheimへ。 ここは、城塞都市で、14世紀の市庁舎の窓が、クリスマスにアドヴェントカレンダーの装飾になることで、今日では知られている。市庁舎や王宮は、静かな中世の趣があり、川沿いの建物の風景は、規模は小さいがバンベルクにも似ている。そして、ビールで有名な町でもある。
 Infoのお姉さんがとても親切で、バイロイトから休演日に来たと言ったら、よくぞ、Forchheimを選んでくれたとお礼を言われ、今日半日の滞在だと言うと、Bierwaldで昼に営業している店を電話で探してくれた。町中には、4つのBierbraeu があり、Bierwaldは町外れの山一つが、天然の冷蔵庫Bierkellerになっており、現在では、24のケラーに隣接して、ビアガーデンがある。訪ねたのは、木曜日昼だったのだが、2件だけ開店しており、一番奥のケラーは、市内でお店を素通りしたNederkeller だった。森の中のひんやりした空気のビアガーデン、日本には無いだろう。
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バイロイト音楽祭2017ーニュルンベルクのマイスタージンガー(8/15) [オペラ(海外)]

 バイロイトに来てから、もっと良い席が手に入ったのでチケットを売りたいという話が来て、ロジェ2列目を譲ってもらった。舞台全体が良く見え(パルケットだと、前が巨人族だと全然見えないことがある)、オケの音は抑えられ、歌はよく聞こえ、椅子はふかふか。連れ合いは、Mittelloge につづき、このLogeが気にいいった様子だ。でも、私はParkettで、オケの音が響いて聞こえる方が好きだ。
 前回ギャラリー席で聞いたときには、オケと合唱がかなりずれて聞こえたが、今回は、あまり気にならなかった。やはり視野が広いと、見ていて楽しい。舞台上の動きは、音楽に比べると、プレミエから完成されており、この表現の豊かさが、他の演目の演技にも影響を与えているのではないかと、ふと思った。
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マイスタージンガーのワーグナー手書き譜(Wahnfried 展示中)
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バイロイト音楽祭2017ーパルジファル(8/14) [オペラ(海外)]

 一つ前の公演では、Haenchenが病気になり、Janowskiが代わりに指揮し、快速なテンポで、予定時刻より早く終了したという噂が飛び交っていた。この日は復活し、お元気そうだった。昨年より、とても印象が良くなっていて、嬉しい。昨年は、少しがっかりしたが、やはり指揮者交代で準備期間が足りなかったのかもしれない。今年は間違いなく、マエストロHaenchenのパルジファルがこれなのだと、伝わってくる。席もパルケット後方で、オケの上に上がった音がちょうど降りてくるあたりで、心地良かった。
 Schagerのパルジファルは、強靭で、イメージとしては、ジークフリートのようだった。声も大きく逞しい。疲れを知ず
らない歌に、やはり感動する。演技も上手で、Vogtよりこの舞台には合っている気がした。
 昼は、ヤノフスキのサイン会があった。舞台上で見ると歌手の体格が立派過ぎるため、小柄でひ弱な老人という印象だったが、ご本人を前にすると背も高く、何よりお声が朗々と響くバスで、質問にも考えながらはっきりお答えになり、大分印象が変わった。歌手ではないので、さすがにご自身の舞台写真などはお持ちにならないが、プログラムに気軽に笑顔でサインを頂いた。
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バイロイト音楽祭2017ー神々の黄昏(8/13) [オペラ(海外)]

 当日券売場は、昨年までは14時オープンだったが、今年は、午前10時と午後と2回開くことになっていて、今年はリングのチケットは持っていなかったが、朝から行ってみることにした。
 朝早めに Karten Bueroに並んだので、1番目だった。ドイツ人が来るのは、早い人で9時台なので、ずっと一人だった。割りとあっさり、2枚続きの席が手に入った。それも16列の5と6という、ちょうど上のカテゴリーの境目の席で、ラッキーな気分だった。
 ヤノフスキーの音楽はよどみなく、さらさらと進んで行く。演出の変化について、一つ気づいたのは、3幕初め、演出助手Seibertが死体の役をするのだが、あまり、目立たず、何故やっているのかずっと分からなかった。ところが、今年はSeibertが衣装を着て、頭に血を塗って、死体になるまでの過程を映像で見せたため、会場が喜んでどよめいた。
 登場人物としては、一番気が小さかったGunterが、今年は大暴れ。二幕で怒狂って、ハンマーで机を叩き割ったり、音楽を邪魔する騒音もお構いななしだった。これも最後の年の余興だろうか。
 主役2人の安定感もあり、安心して見ていられた。演出に関して文句を言う人は多いが、歌手、オケはさすがだし、これだけ立派な舞台装置を見るだけでも、価値があるのでは?
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Vinke と Foster の サイン会 [オペラ(海外)]

 辺境伯書店が閉店したため、今年からサイン会会場は劇場横のSteigenbergerレストランとなった。12時20分前に到着するも、顔見知りの日本人がいるくらい、宣伝が行き届いていないのか、場所が街中から遠いからか、時間になっても、主役ふたりのサイン会にしては集まりは良くなかった。
 Foster とVinke のサイン会は、外が寒いというFosterの希望で、Steinbergerの屋内に変わった。この日、黒いスーツの彼女は、美しく魅力的だった。家族もその場にいて、この5年の間に、大人っぽくなったお嬢さんが、話題になっていた。
 数年前WeimarのSiegfriedがVinke だったことをふと思い出し、サイン会で話してみた。すると、あれは、代役で、前日、よそのプローペ、GPの後電話があり、一回歌い終えた後、Weimarに移動し、翌日本番で、とても大変だったと話してくれた。その時思い出していなかったが相手役はFosterだったようで、何年だったかと横にいたFosterに尋ねると2007年とのこと。でも私が行ったのは2011年なので、Fosterの思い違いかもしれないが、Vinkeにとっては、只一度のWeimarを聴いたことになる。その時の印象はSiegfriedが汗だくで、最後ボロボロになり、気の毒に感じたのは、あながち間違えでは無かったようだ。
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2011-07-12
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バイロイト音楽祭2017ートリスタンとイゾルデ(8/12) [オペラ(海外)]

 場内が暗くなって、ごめんなさいおじさんが出てきて、イゾルデ役ラングが不調のため、演技のみ行い、メルベートが歌うと説明した。Besetzungに既に書いてあるため、観客の驚きはそれほどでもなかった。
 メルベートは、舞台上手端で、譜面台に楽譜を置いて立って歌った。とても落ち着いていて、音楽も全体的に、優雅で、穏やかに進行した。ラングの演技というのがピンとこず、やはり歌わないと難しいのだろう、カーテンコールには、メルベートだけが出てきた。二幕のトリスタンとの二重唱はよく練習したとみえて、二人の距離感は全く気にならなかった。勿論離れて歌う演出もあるわけだし、どんな環境でも歌えるのが本物ということだ。マルケ王役のルネ・パペは年齢通りの風格で、今回の演出での役どころとしては、優しすぎたかもしれない。ラングだったら絶叫するのだろうなあと思いながら、穏やかなイゾルデの声に満足していた。
 ネットで取った席が気づけばMittellogeで、Ringの初年度、毎日当日券がMittellogeだったことを思い出した。奥まっているせいでオケの音が抑えられて、遠く聞こえたかもしれないと思う。席によって聞こえる音は変化する。
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